安倍晋三首相「党改憲案を提出したうえで、新たな任期のうちに国民投票」 石破茂元幹事長「政府を謙虚に機能させる自民党の原点に戻る」 演説会と会見

自民党総裁選
共同記者会見を前に握手を交わす安倍晋三首相と石破茂氏(左)=10日午前、東京・永田町(春名中撮影)

 自民党は10日午前、総裁選に立候補した安倍晋三首相=党総裁=(63)と石破茂元幹事長(61)による所見発表演説会と共同記者会見を党本部で開いた。北海道で震度7を観測した地震の影響で、7日の告示から3日間選挙活動を自粛していたが、20日の投開票に向け、本格論戦がスタートした。

 連続3選を目指す首相は演説会で「さまざまな批判を真摯(しんし)に受け止めながら、改めるべきは改め、謙虚に丁寧に政権運営をしていきたい」と述べた。石破氏は「私がやりたいのは経済の再生だ。その核は地方創生だ」と語った。

 首相は景気回復や外交など政権運営の実績を強調。相次ぐ自然災害を受け、国土強靱(きょうじん)化のための緊急対策を3年で集中的に講じる考えや、3年間で社会保障改革を断行する姿勢を示した。「自衛隊が誇りを持って任務を全うできる環境を作ることは、今を生きる政治家の使命だ」とも語り、憲法9条への自衛隊明記に改めて意欲を表明した。

 その後の会見で首相は、秋の臨時国会に党改憲案を提出したうえで、党総裁としての新たな任期3年のうちに国民投票に付したい考えを披瀝(ひれき)した。総裁選後の党役員、閣僚人事に関しては「全くの白紙だ。総裁選が終わったらよく考えたい」と述べるにとどめた。来年10月の消費税率10%への引き上げは「予定通り引き上げたい」と明言した。

 一方の石破氏は演説会で「国会を誠実に、公正に運営し、政府を謙虚に機能させる自民党の原点に戻る」と話し、森友、加計学園問題を念頭に、政治の信頼回復に努める考えに言及した。防災省の設置も訴えた。憲法改正は「急ぐものからやらせていただく」と、参院選挙区の合区解消や緊急事態条項創設を優先させる方針をにじませた。北朝鮮による日本人拉致問題解決に向け、北朝鮮に連絡事務所を設置する対北政策も掲げた。

 総裁選は国会議員票(405票)と党員・党友票(同)の計810票を争い、過半数を得た候補が次期総裁に選出される。首相の外遊日程があるため、公開討論会や街頭演説会は14日以降に行われる。