【沖縄県知事選】知事選前に辺野古埋め立て承認撤回 「オール沖縄」求心力維持へ判断 - 産経ニュース

【沖縄県知事選】知事選前に辺野古埋め立て承認撤回 「オール沖縄」求心力維持へ判断

米軍普天間飛行場の移設工事が進む沖縄県名護市辺野古の沿岸部=18日(小型無人機から)
 沖縄県は、県知事選(9月13日告示、30日投開票)前に、米軍普天間飛行場(宜野湾=ぎのわん=市)の名護市辺野古移設に絡む埋め立て承認の撤回に踏み切る方針を固めた。当初は撤回判断を知事選の争点とするため、判断の先送りを求める声もあった。だが、知事選に出馬する玉城デニー衆院議員(58)の支持母体「オール沖縄」の求心力を維持するためにも早期撤回が必要だと判断した。
 「政局で撤回なんてあり得ない。選挙は関係ない」
 8日に死去した翁長(おなが)雄志(たけし)知事の職務代理者を務める富川盛武副知事は29日、埋め立て承認の撤回を判断する上で知事選は材料にならないと強調した。
 共産党や社民党、労組などでつくる「オール沖縄」の県議らは承認撤回を先送りするよう主張していた。玉城氏自身も、翁長氏の後継候補として名前が浮上した直後は「撤回判断は新たな知事が行うべきだ」と周囲に伝えていた。
 県が撤回に踏み切れば、政府は執行停止を裁判所に申し立てる方針だ。自民、公明両党が推薦する宜野湾市の佐喜真淳前市長(54)は辺野古移設への賛否を問われても「司法判断に委ねる」と答えることができ、知事選の争点となりにくい。
 これに対し、撤回を先送りすれば、行政判断を選挙戦の争点にできる。政府は天候などを理由に17日の予定だった辺野古の土砂投入を先送りしており、オール沖縄内には「撤回を先送りしても土砂が投入されることはない」(県議)との声もあった。
 ところが、早期撤回を求める市民団体幹部らは県庁に詰めかけるなどして、選挙戦に絡めた撤回先送りを批判した。これ以上撤回を見送れば、批判の矛先が玉城氏に向かう懸念もあった。9月2日には名護市議選や宜野湾市議選が告示される。オール沖縄系の候補を後押しするためにも、撤回に踏み切って求心力を維持する必要があった。
 玉城氏は29日の出馬会見で「翁長知事の遺志を引き継いだ両副知事が行政として、しっかり判断するだろうと思う」と述べ、知事選前の撤回を追認した。(杉本康士)