従業員いれば→「食べながら」ダメ 加熱式たばこ→現状のまま分煙 受動喫煙防止、東京都条例可決

 
レストラン喫煙可能エリア=27日午後、東京都中央区(宮川浩和撮影)

 東京都議会で成立した受動喫煙防止条例は、従業員を雇用している場合、原則屋内禁煙とするなど独自の厳しい規制を敷いた。健康志向の高まりや若者のたばこ離れを背景に現在、大手外食チェーンなどを中心に店舗内分煙が進んでいるが、条例施行後はこうした対応も通じなくなる。条例で何が変わるのか。

 国に比べ厳しい規制になるのが紙巻きたばこだ。従業員を雇っている飲食店では原則屋内完全禁煙で、外に煙が漏れない喫煙スペースを設置すれば喫煙が可能だが、この中での飲食の提供は禁止。「飲食しながらのたばこ」という風景は、従業員を雇っていない店舗以外では見ることがなくなる。喫煙専用室を設ける場合、都は費用の9割を補助するが、小規模店舗でのスペース確保が課題だ。中小の飲食店からは「商売が成り立たなくなる」との悲鳴も上がっている。

 一方、利用者が広がっている加熱式たばこについて、都は当初、紙巻きたばこと同内容の規制を検討したが、「受動喫煙による影響が未解明」などとして、国と同様の規制内容に緩めた。都は分煙の手法について国の動向を見守るとしているが、国、都ともに専用室を設ければ飲食しながらの喫煙が許されるため、加熱式に限れば現状の分煙対応で事足りるとみられる。

 小池百合子知事は今後、隣県も含めた共通の店頭ステッカーを作る方向で調整しており、都内では来年のラグビーワールドカップ(W杯)開催までに店頭表示を義務化する。条例完全施行は平成32年4月だが、実質的にはラグビーW杯前に体制が整いそうだ。

 喫煙室が設置されていない建物では、屋外で喫煙することになるが、都内には路上喫煙などを禁じている自治体も多い。都条例施行による路上喫煙増加を懸念する声を受けて、区市町村が公衆喫煙所を整備する際の都からの補助も、対象を広げ補助率を100%に引き上げる。

 取り締まりを担う各保健所では戸惑いが広がる。業務拡大によって人手不足に陥る可能性もあり、実効性の担保に向けた体制強化が急務だ。また、仕事や観光で都外から来た人への条例周知も課題となる。(石井那納子)