【平成30年史 政界再編・インタビュー】武村正義元官房長官「小選挙区制導入…ちょっぴり後悔」 - 産経ニュース

【平成30年史 政界再編・インタビュー】武村正義元官房長官「小選挙区制導入…ちょっぴり後悔」

インタビューに答える武村正義元官房長官
 平成5年に新党さきがけを結党するなど、平成の政界再編の立役者の一人、武村正義元官房長官に聞いた。
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 --細川護煕政権では小沢一郎氏と激しく対立した
 「ぎくしゃくし始めたのは衆院選挙制度改革で1票制にするか2票制にするかから。そういう議論は一番詳しいという自負があって『2票制は世界の常識』なんてテレビで発言した。それに市川(雄一元公明党書記長)さんがカチンときたそうですよ。小沢さんと市川さんは親しかったし、そこから武村批判が始まったんじゃないかな」
 --細川政権がつまずいた原因は
 「政府と連立各党との連携がうまくいかなかった。一体であるべきなのが対立してしまった。それが最大の理由かもしれない」
 --8党会派の連立は無理だったのか
 「55年体制以降、自民党単独政権が続いた。そこに多くの政党が集まった連立政権が誕生した。これは長続きせんぞという見方があった。しかし、連立にあたって政権合意を作った。自衛隊とか安全保障とか大事な政策は全部書いて合意したので、水と油のままではなかった。そんなことよりも(人間関係の)ギクシャクで壊れていったんです」
 --8年に鳩山由紀夫元首相が旧民主党を立ち上げる際、武村氏を排除するという「排除の論理」が話題になった
 「鳩山さんにそんなことを言われる理由は思い当たらず、ものすごい違和感を覚えた。鳩山さんにも聞いたが、のらりくらりと逃げていた。どうも私だけでなく、自分と当選同期の連中を全員排除するといっていたんですね。自分より若い人、経験の少ない人を中心に鳩山新党をつくるということだった。『同期生は嫌だ』なんてことは明快に答えられませんわな。とにかく鳩山新党はマスコミがにぎやかに取り上げるから、ワーっと大きな動きになってできあがっていった」
 --29年の小池百合子東京都知事の排除発言はどう思ったか
 「(排除の対象を)三権の長経験者だと言ったのは細野(豪志元環境相)さんで、小池さんは憲法改正と安保法制の2つを理由にして排除を言い出したと聞いています。政策の違いを理由にして排除した。それは一つの理屈でした。鳩山君の場合は政策の違いはもちろん、何の対立点も挙げられていなかった」
 --小選挙区制度については見直し論もある
 「率直に言ってちょっぴり後悔しています」
 --なぜか
 「日本人の政治体質に合っていないのではないかということです。満場一致で決めるのが日本人のやり方で、多数決で決めるのは例外的です。フワッとした雰囲気で当落を決めていた中選挙区制が日本人の体質にあっていたという見方もあります。当時を反省して振り返ってみても、他になかなかいい制度が見つからなかった。もう一度、選挙制度について大議論をする価値はありますね」
 --今後も政権交代は起こり得るか
 「十分に起こり得る。野党がシャンとして魅力的になれば…。野党は分裂しないでまとまっていけるかどうかにかかります」
 --野党各党は糾合すべきだと
 「小選挙区制度が続く限りはそうならざるを得ません。参院選も定数1の選挙区が多いから、小異も中異も捨てて大同につくおおらかさが必要でしょう」
 --政党再編といえば、自由党の小沢一郎氏だが
 「小沢さん、長い間ご苦労さんでした。よく頑張られました、と申し上げます。でも、そろそろ若い人に任されてはいかがでしょうか」
(坂井広志)