安倍晋三首相訪露、プーチン氏と21回目首脳会談へ あと3年、北方領土解決へ正念場 - 産経ニュース

安倍晋三首相訪露、プーチン氏と21回目首脳会談へ あと3年、北方領土解決へ正念場

ロシアへ出発する安倍晋三首相(左)と昭恵夫人=24日午後、羽田空港(宮崎瑞穂撮影)
ウラジーミル・プーチン露大統領(ロイター)
 26日に行われる日露首脳会談は、安倍晋三首相が昨年10月の衆院選で、ロシアのプーチン大統領が3月の大統領選でそれぞれ勝利し、国内の政治基盤を安定させてから初の会談となる。首相とプーチン氏の会談は21回目となり「日露史上、圧倒的に深い関係」(外務省幹部)を築いてきた。両首脳のリーダーシップによって、隔たりが大きい北方領土問題解決に向けた道筋をつけられるか。日露関係は正念場を迎える。(小川真由美)
 「プーチン氏とは胸襟を開き、腹を割って話をしなければならない。北方四島での共同経済活動や、元島民の墓参など人道措置について具体的進展を得たい」
 首相は訪露出発前の24日午後、記者団にこう強調した。9月の自民党総裁選で3選しても、党の規定で首相任期は最大で平成33(2021)年9月まで。プーチン氏もロシア憲法の制約で2024年に退任する。首相は「平和条約が締結されずにいるのは異常だ」との考えでプーチン氏と完全に一致していると説明しており、局面打開のため両首脳に残された時間は3年程度となる。
 ただ、日露関係の現状は厳しい。プーチン氏はウクライナ南部のクリミア半島併合やシリアへの介入など、強硬的な外交政策で求心力を維持しており、北方領土問題でも日本に簡単に譲歩はできない。一昨年12月に合意した北方四島での共同経済活動の前提である「日露双方の法的立場を害さない特別な制度」の設計が進まないのは、ロシアの慎重姿勢の表れだ。
 日本が配備する地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」に対しても、ロシアは米国のミサイル防衛(MD)網の一環だとして反発する。日本は「ロシアを含む周辺国に脅威を与えるものではない」(河野太郎外相)と説くが、米国への不信感は根強い。
 ただ、ロシアは経済低迷が続いており、日本の経済協力を得て成長軌道に戻したい思惑もある。サンクトペテルブルクで開かれる欧州向けの国際経済フォーラムに、初めて日本の首相を招待したのもそのためだ。先進7カ国(G7)の一つである日本との親密ぶりを示し、国際的孤立を回避する思惑もある。
 外務省幹部は「最後は両首脳の政治決断しかない」と話す。日本は医療・エネルギーなどロシアが望む幅広い分野での経済協力で実績を積み上げた上で、安倍首相とプーチン氏との個人的な信頼関係をテコに、平和条約締結交渉に向けた議論を加速させたい考えだ。