受動喫煙対策 緩い国会、規制どうする 改正案で後退、自主的強化も

 
国会内の主な喫煙所

 国会だけ喫煙に甘い? 他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙対策を盛り込んだ政府の健康増進法改正案をめぐり、国会施設への規制が行政機関や学校よりも緩いのは筋が通らないとして、与野党の規制推進派の議員が疑問の声を上げている。野党の一部は国会への規制を強化する対案をつくり、政府案の修正を求める考えだ。与党内にも国会による自主的な対策強化を求める声が上がっている。(原川貴郎)

 政府が3月9日に提出した改正案は、飲食店への規制が昨年3月に公表された厚生労働省の当初案から大きく後退したことが注目された。実はこれと同時に、国会議事堂を含む国会施設への規制も微妙に後退していた。

 厚労省の当初案では、国会は規制の種類が「屋内禁煙(喫煙専用室設置も不可)」となる「官公庁」に分類されていた。

 ところが、提出された改正案では「官公庁」の分類そのものが消失。代わりに「学校」「病院」「児童福祉施設」「行政機関」といった施設をひとくくりにして「敷地内禁煙」に指定し、それ以外の事務所やホテルなどの施設は「原則屋内禁煙(喫煙専用室内でのみ喫煙可)」とした。

 この分類によれば、行政機関である中央省庁や市役所などの施設は屋内が完全禁煙となるが、立法機関である国会は、条件を満たせば屋内喫煙可となる。

 現在、国会内には衆院本会議場脇や衆参の議員面会所の喫煙スペースなど、数カ所の喫煙所がある。これらは、改正案の成立後も厚生労働省が省令で定める基準を満たせば使用できるという。

 ただ、法律で民間施設に厳しい規制を課そうとするにもかかわらず、法律を作る国会の受動喫煙対策が甘いのは「筋が通らない」として、政府案には与野党双方から批判が多い。

 超党派の「受動喫煙防止法を実現する議員連盟」で幹事長を務める松沢成文参院議員(希望の党)は5日、産経新聞の取材に、政府案について「国会だけが一段緩い規制で逃げようという姑息(こそく)な法案」と指摘。政府案への対案を示した上で、与党に修正協議を求める考えを明らかにした。

 自民党は政府案に賛成の立場だが、党受動喫煙防止議員連盟の山東昭子会長は5日、「法律をつくる国会は自らを正していかなければいけない」と述べ、国会が自主的に行政機関並みの対策を取るよう、衆参両院議長に申し入れる意向を示した。