受動喫煙防止、規制推進派が巻き返し 決議採択に議連試案… 「党議拘束外すべき」の声も

 

 他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙対策をめぐり、厚生労働省の見直し案が当初案に比べ大幅に後退する内容となったことで、自民党など規制推進派の巻き返しが始まった。対策を盛り込んだ健康増進法改正案は自民党内で紛糾し、昨年、国会提出に至らなかった。今年も延長戦とばかりに規制慎重派と推進派の対立が続きそうだ。(坂井広志)

 14日に国会内で行われた自民党受動喫煙防止議員連盟(会長・山東昭子元参院副議長)の緊急総会。同議連は「『バー、スナック以外の飲食店』については店舗面積にかかわらず原則屋内禁煙とすべきだ」と明記した決議を採択した。

 8日の会合でも決議について議論した。ただ「飲食店について例外措置を設けるに当たっては…」などと例外措置を前提にした決議案に対して、三原じゅん子参院議員は「原則禁煙にすべきだ」と主張した。その結果、決議は禁煙をさらに強める内容になった。

 受動喫煙防止の動きは他党にもおよび、13日には超党派による「東京オリパラに向けて受動喫煙防止法を実現する議連」(会長・尾辻秀久元厚労相=自民)が緊急総会を開き、試案を了承した。試案は厚労省の当初案に近い内容で、焦点の飲食店について規模が30平方メートル以下のバー、スナックなどを規制対象外にした。

 当初案は当時の塩崎恭久厚労相の意向をくみ厳格な内容だった。ところが、加藤勝信厚労相の下で作成した見直し案は骨抜きともいえる内容になった。

 厚労省は、規制対象外の店舗を「30平方メートル以下」から「150平方メートル以下」に拡大することを軸に検討中だ。しかも、当初案は小中高や医療施設、大学、官公庁は全面的に禁煙だったが、見直し案は喫煙場所の設置を認めた。喫煙場所や喫煙専用室を設置すれば、どの類いの施設でも、どこかで吸えるわけだ。

 規制推進派は猛反発している。超党派議連の緊急総会では「こんな緩い法案では実効性が上がらない」という声が大勢だった。厚労省案と議連試案の両方を審議し、採決の際には党議拘束を外す運動をしていくという。

 超党派議連の松沢成文幹事長(希望)は試案を野党間で調整する方針だ。14日の希望の党役員会で、松沢氏は試案をベースに党内で議員立法を作成し、今国会中での提出を求め、「政府案は甘く、国際的な水準にはおよばない」と述べた。

 ただ、規制慎重派で構成する自民党たばこ議連(会長・野田毅前党税制調査会長)の所属議員は約260人。これに対し超党派議連は約60人と「少数派」の印象は否めない。

 超党派議連の議論は松沢氏のペースで進んでおり、自民党に揺さぶりをかける思惑もちらつく。事実、自民党受動喫煙防止議連の幹部は「厚労省案が改めて出た時点で決議に沿ったものでなければ、議連でも検討する」と語っており、超党派議連の試案に対し全面的に賛成しているわけではない。規制推進派は足並みをそろえることが先決といえそうだ。