北方領土でアウトドア 国後島から知床の夕日観賞 政府検討 日露作業部会で協議へ

 
北方領土には手つかずの原生林が多い=平成20年、国後島(酒井充撮影)

 日露両政府が実現を目指す北方領土での共同経済活動の具体的事業として、日本側が北方四島の自然を生かしたアウトドアの観光ツアーを検討していることが9日、分かった。今月中旬にもモスクワで開く局長級作業部会で協議する見通しだ。北方領土には手つかずの自然が残っており、山登りや釣り、国後島から望む知床半島の夕日観賞などが候補として挙がっている。

 複数の日本政府関係者が明らかにした。安倍晋三首相とプーチン露大統領は9月の首脳会談で、北方領土での観光事業を早期に取り組むプロジェクトに指定。日露両政府は10月に2度目の現地調査を実施し、具体案の絞り込みを行ってきた。政府は観光で人の往来を増やし、領土交渉打開を後押しする環境整備につなげたい考えだ。

 国後島の爺爺岳(標高1822メートル)をはじめ、北方領土には1千メートルを超える山が多い。キタキツネなどの動物が生息し、高山植物も群生していることから、景観を楽しみながら山道を散策する「トレッキング」コースの開発を検討している。

 また、北方領土周辺は親潮と黒潮がぶつかる地点で漁場としても優れており、釣りもツアーの中に含める見込みだ。国後島の北側から北海道・知床半島に沈む夕日観賞も検討している。

 局長級作業部会では、観光のほか、海産物の養殖▽温室野菜栽培▽風力発電▽ゴミの減量対策-の4分野に関し、具体化に向けた協議を進める。