衆院選あす投票 国難乗り越える選択を 半島危機に向き合うのは誰か

主張

 衆院選はあす投開票を迎える。この選挙で、安倍晋三首相は北朝鮮危機と少子高齢化を国難と位置づけ、国民の信を問うた。

 論点が他にもあるのはもちろんである。だが、とりわけこの2つは、漫然と手をこまねいていれば文字通り国を危うくするものといえよう。今取り組まなければ、子や孫の世代まで、苦境にあえぐことにもなりかねない。

 難局を乗り越え、平和で繁栄する日本を築いていかなければならない。それが政権を目指す全ての者の責任である。そのために、どの政党、政治家に託すべきかを十分、吟味する必要がある。

 ≪中国覇権主義も警戒を≫

 総じて、国難をめぐる論争が政党間で尽くされたとは言い難い。直面する危機は、むしろ国民の方が切実に感じているようにも映る。そうした隔たりも吟味すべきである。日本の針路を定める強い自覚を持ちつつ、投票所へ足を運びたい。

 国連安全保障理事会の決議に基づく制裁を顧みず、北朝鮮は核兵器・弾道ミサイル戦力の強化に走っている。日本列島越えの中距離弾道ミサイル(IRBM)発射を平然と行い、核拡散防止条約(NPT)を無視して水爆などの地下核実験を繰り返す。

 不測の事態に備えながらの選挙となったのも事実である。

 北朝鮮の核武装を決して容認できないとの認識までは、各党が共有している。問われたのは、どのように国民を守り、核放棄を迫っていくかの具体的道筋だ。

 与党の自民、公明は、北朝鮮に最大限の外交的圧力をかける必要性を説いた。防衛では、集団的自衛権の限定行使容認を柱とする安全保障関連法を活用する。安倍首相とトランプ米大統領の信頼関係を前提に、強固な日米同盟のもとに対応する。

 中長期的には、地上配備型「イージス・アショア」導入などミサイル防衛を強化する。

 これに対し、立憲民主党は北朝鮮問題に重点を置いて語ろうとしない。共産党とともに集団的自衛権の行使を違憲とみなし、安保関連法の廃止を唱える。日米同盟の結束を保つことに逆行する意味合いがある。

 信念は死んでも変えられないなどと唱えても、眼前の危機には備えない。国民の命を守ろうとしているとは到底、思えない。

 希望の党にしても、安保関連法を肯定する勢力とは見なしきれない。民進党からの合流者を多数抱え、集団的自衛権の行使を直ちに認める判断は明言していない。

 選挙中に、覇権主義を貫く中国というもう一つの脅威が鮮明に表れた。

 中国共産党大会の演説で習近平国家主席が「世界一流の軍を建設」して、21世紀半ばまでに米国と並ぶ「社会主義強国」をつくると宣言した。力を背景に、国際法を無視して造成した南シナ海の人工島を「成果」だと誇った。

 ≪憲法改正が平和を導く≫

 アジア太平洋地域で覇権を目指す中国は、尖閣諸島への領土的野心も隠さない。北朝鮮に勝るとも劣らない脅威である。

 選挙戦で中国問題が多く語られなかったのは、何から日本を守るかの視点が、いまだに定まっていないことの証左といえる。

 それを考えるうえで有力かつ喫緊の手段こそ、憲法改正である。傍若無人な周辺国に日本は脅かされながら生きていくのか。油断すれば国民の生命や島が危ない。

 平和と繁栄を保つため、あらゆる手立てを講じて抑止力を高める必要がある。それは、今の憲法9条に固執することで、もたらされるものではない。

 憲法改正の国民投票実現に働く国会が求められる。

 少子高齢化は、日本を内側から危機的状況に陥れるものだ。人口増を問題視した過去の意識から抜けきれず、出生数の減少を軽視したツケが回ってきている。

 選挙中の耳あたりのよい話にとどまらず、財源を手当てしながら実効ある対策を取れる推進役が必要とされている。

 台風21号の日本接近が伝えられている。天候の悪さのために投票に行けなくなるのは、もったいないことである。

 投開票前日も期日前投票は行われている。気象ニュースに気をつけ、少しでも足を運びやすい時間帯に貴重な一票を投じる。そういう工夫もいかがでしょう。