希望・小池百合子代表、築地市場移転で「資料出せといわれても政策判断なので、その部分はない」

党首討論会詳報(2)
党首討論会で討論する、希望の党の小池百合子代表=8日午後、東京都千代田区のプレスセンター(宮崎瑞穂撮影)

 日本維新の会・松井一郎代表「増税の話が出ました。増税の前の国民との約束がございました。増税をお願いする限りは国会議員が身を切る改革をやると。これは2012(平成24)年から2014年まで報酬の2割カットが行われておりましたが、いつのまにやら国会議員(報酬の)の2割カットが終わってしまって、満額支給となっております。国民の皆さんへの約束、増税をするんなら、国会議員自ら約束を果たすべきだと思いますが、いかがでしょうか」

 安倍晋三首相(自民党総裁)「確かに私たちは無駄遣いをしてはいけない。身を切る覚悟をしっかりと示さなければならない。安倍政権ができてから2回にわたって議員定数を削減しました。1回目に5人、次に10人、合計15人です。1つの内閣で2回も定数を削減した内閣というのは日本にはなかったのではないでしょうか。そして、私自身は3割俸給をカットしております。そして、大臣は2割カットをしているわけでありますし、同時に公務員においても例えば、公務員宿舎の5万人分の売却、3000億円の売却をしております。やるべきことはしっかりと、さらにこれからもやっていきたいと、こう考えております」

 立憲民主党・枝野幸男代表「日本の経済は1990年ころ、ずっと低成長が続いています。その主たる要因はどこにあるんですか。輸出ではなくて内需、国内消費にあるのではないかと思いますが、それについての考え方。そして、国内消費を拡大させるためには、実は格差の拡大というのはむしろ貧困を増やし、購買力を減らして、消費にマイナスになっているのではないか、このあたりについて、消費性向についてのご認識と合わせて、ご説明をいただきたいと思います」

 安倍氏「日本の経済は1997年に536兆円、これピークになります。ずっとだらだら落ちていくんですが、一時的に上がり、第1次安倍政権のときにこれに近づいたのですが、その後ずっと下がっていって、われわれが政権を取る前、民主党政権のときには、493兆円まで落ちました。それに対して私たちは3本の矢の政策で挑んで、そしてそれは543兆円、久々に過去最高を記録をし、われわれが政権を取って、50兆円、増やしています」

 「しっかりと経済は増えていく。人口が減少している中で私たちは経済を成長させていく。正しい政策を進めていけば、経済は成長していくんです。そしてデフレが極めて20年間続いてきた。これ、相当国民生活、経済を縮小させ、国民経済を圧迫をしていたところです。格差については、安倍政権ができて、15年間ずっと下がってきた。例えば、子供の相対的貧困率、これが42.47、いやいや9.2、9.7、9.9と上がってきたものを、安倍政権で初めて、これを改善した。2ポイント改善して7.9まで下げたということは申し上げておきたいと思います」

 社民党・吉田忠智党首「沖縄の(宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設先として名護市で進める)辺野古新基地建設問題。沖縄では最大の選挙の争点でありますけれども、沖縄のみならず、日本中の皆さんに考えていただかなければならない課題です。これまで名護の市長選、沖縄県の知事選挙、前回の衆院議員選挙、民意が示されましたけれども、民意をふみにじって新基地建設が強行されています。これは新たな軍港を備えた基地をつくるということですから、100年、200年の負担を沖縄に押しつけるものであります。沖縄におきましては受忍の限度を超えている。絶対引かない。そして強い決意を持った反対の運動がなされています。ぜひこれは再考をしていただきたいと思いますが、首相のお考えをお願いします」

 安倍氏「私たちは沖縄に過度に米軍の基地が集中している、この現状を変えなければいけないと思っています。そのために努力をしてまいりました。そして、面積でいえば、過去最大の返還を私たちは実現をしました。北部演習場(沖縄県東村など)をはじめですね、過去最大の返還を確保しました。また、住宅地に囲まれた普天間飛行場を固定化してはならない。そのために私たちは辺野古に移転します。事実上は機能は大幅に縮小されるわけであります。空中給油機も山口県(の米軍岩国基地)に移りました。そうしたことをしっかりと進めながら、できる限り、沖縄の負担軽減のために力を尽くしていきたいと考えております」

 日本のこころ・中野正志代表「築地(市場)の移転問題で都知事の判断について情報公開請求に対し、小池(百合子・東京都)知事は人工知能で決めたなどとはぐらかし、全く応じない。まさに隠蔽です。極めつけは民進党との合流。突然の前原(誠司・民進党代表)提案に日本中が驚きました。もっと驚いたのは、枝野さんたち立憲民主党の皆さんも無所属になった人たちも民進党の全員が、提案に反対せず、ちゃっかり小池人気に乗っかろうとした。本当にびっくりいたしました。なぜこんなことになったのか。小池さんと前原さんがどんな話をしたのか。これこそ完全な密室政治です。わかりやすく言えば、小池さんの政治スローガンは全てブーメランなんです。他人を批判する以上、小池さんに対するこうした批判についても自ら説明責任を果たしてもらいたいと思います。なお、音喜多(駿)東京都議会議員、都議会ファースト(都民ファーストの誤り)もブラックボックスだと、こう言っているではありませんか」

 希望の党・小池百合子代表「全くそれはご質問の内容と事実は違います。豊洲、そして築地の対策をどうあるべきかということはいろんな専門家の方々、議会の皆さま方の声などを聞いて、そして最後は、最終的には政策判断でございます。それの資料を出せといわれても、そこは政策判断でございますので、その部分はない。そのほかの部分には徹底して情報公開をさせていただいているのが1点。それから、今回、民進党から合流ということではございません。皆さま方がそれぞれ政策に賛成をして、そして基本的な考え方が一致された方々にお入りいただいている。まさしくそのことによって新しい政党ができあがった、そして、先ほども少しご指摘がありましたが、住専国会のときなど、野党は徹底抗戦をしました。しかしその後、リアルな判断で、正しく政治を動かしていったということがございます。よってこれらのことをしっかりと進めているということでございます」

 安倍氏「希望の党は、消費税を凍結するとおっしゃっておられますが、公約の中にはベーシックインカムもありますし、また、寄付型奨学金の大幅の拡充、そして教育の無償化もおっしゃっておられますが、その財源は示しておられない。同時に、企業の内部留保に課税をすることもおっしゃっておられます。

 これをそれに充てるのかということでございますが、世界各国を見てみて、内部留保に課税をして兆円単位で税収を上げているところはないと思います。多くの企業にこれをあてはめれば、まさに企業が出て行って、空洞化をもたらすことになるだろうと思います。米国等々は懲罰的にこれをやっているところはありますが、1回限り、2回目からはそれに対応して、使途を変えていきますから、税収、安定財源にはならないのではないかと思います。大切なことは賃金を上げていく、投資をさせていく、ということが大切ではないでしょうか」

 小池氏「先ほどのご質問にも関係するのだが、冒頭解散の政策判断、これの情報公開を求めてもたぶん無理だと思います。この点改めて申し上げたく存じます。それから、消費税の増税凍結ということでございますけれども、これについては地方、そして中小企業を中心として成長の実感であるとか、一人一人の消費者の、国民の好景気に対しての、この実感が伴っていない中において消費税の増税というのは一体どういうものなのか、ということでいったん立ち止まりましょうということを申し上げている。先程、冒頭30秒で言い表せませんでしたけれど、これからますます長寿の時代に入ります。2025年には今の団塊の世代の方々が後期高齢者入りをする。もうランプが付いているんですけれど、どうしましょうか」

 --「後で発言の機会がありますから、いったんそこで」

 小池氏「そうですか、要はパラダイムを変えていきましょうということでございます。ベーシックインカムもしかりでございます」

 公明党・山口那津男代表「わが党の公約にあって自民党の公約にないもの、それは私立高校生の授業料実質無償化の推進であります。公立よりも私立高校の授業料は一般的に高いわけであります。全国、各都道府県がそれぞれの支援策に取り組んでいます。埼玉県や京都府なども独自の支援策があります。しかし、これがかなりまちまち、ばらばらでありまして、これでは支援策として十分ではないと考えます。その点で、どこに住んでも、どこの私立高校に通ったとしても平等な支援策を受けられるように、全国的に私立高校の授業料実質無償化、これを推進するべきだと考えますけれども、自民党の安倍総裁、いかがお考えですか」

 安倍氏「今回の私たちの政策の基本的考え方は、少子化を克服するため、社会保障制度を全世代型の社会保障に変えていくということです。子供たちに、子育てを頑張る世代に、あるいは家族の介護に、頑張る世代に思い切って投資をしていくということであります。どんなに貧しい家庭に育っても頑張れば、専修学校や大学にも通うことができるように、高等教育を真に必要な子供たちに限って無償化をしていくということであります。

 こうした考え方のもと、年内に2兆円のパッケージを取りまとめる予定でありますが、今、山口代表からご提案のあった私立高校の授業料の無償化についても検討していきたいと思っています」

 共産党・志位和夫委員長「核兵器廃絶国際キャンペーン、ICANがノーベル平和賞を受賞しました。これは核兵器禁止条約のために命がけで頑張ってきた、広島、長崎の被爆者をはじめとする市民社会の努力を評価したものであり、私は心から歓迎したいと思います。核兵器禁止条約は核兵器の使用の威嚇、すなわちいざというときは核を使うぞという脅しによって、安全保障を図ろうという、核抑止力論を禁止しています。世界の多数の国がこの流れに合流しているときに、唯一の戦争被爆国、日本政府が核の傘にしがみついて、背を向ける態度を取っていいのか。核兵器禁止条約の国連会議では私も参加しましたが、被爆者の方々から日本政府の態度に心が裂ける思いに裏切られた、などの批判が相次ぎました。首相はこうした被爆者の声をどう受け止めますか。これまでの態度を改めて、日本政府として禁止条約にサインすべきではありませんか」

 安倍氏「随分、政府内でも議論をしました。日本は唯一の戦争被爆国として、核なき世界をつくっていく。世界の議論をリードしていく責任があると考えています。昨年も私や日本政府の努力もあって、オバマ大統領が米国の大統領としてはじめて広島を訪問し、核なき世界に向かって進んでいくべきだという演説をされました。そして、この核禁条約は、残念ながら核保有国は強く反対をしている。実際に、現実に、結果として核廃絶に向かっていくためには、現実に核兵器を持っている核保有国の賛同を得なければならないわけでありまして、私たちは賛同を得る形での核兵器の削減の国連決議、主導権を持ってやっています。同時に、今、北朝鮮の危機がある中において、核抑止力を否定してしまっては、日本が日本の安全を守りきることができないという判断を致しました」