東京都が新たなスケジュールを公表 来春から秋に移転可能へ 「無害化」方針は撤回

豊洲問題
定例記者会見で質問に答える東京都の小池百合子知事=21日午後、都庁

 築地市場(東京都中央区)からの豊洲市場(江東区)への移転問題で都は21日、平成30年春から秋には豊洲市場への移転が可能になるとの新たなスケジュールを公表した。小池百合子知事は昨年11月、移転時期を今年末から来年春とする工程表を示しており、移転時期はさらにずれ込む。一方、移転の前提としてきた豊洲市場の土壌汚染を環境基準値以下にする「無害化」の方針を撤回、「専門的・科学的で妥当な対策を講じ、都民や事業者の理解を求める」とする新たな移転方針を明らかにした。

 また、2020年東京五輪・パラリンピックで輸送の大動脈として築地跡地を通る幹線道路の環状2号は、五輪直前の平成32年3月までに完成。築地跡地に予定している輸送拠点整備も東京五輪に間に合わせる。

 いずれも、この日開かれた、豊洲に移転し築地跡地を再開発するという小池氏の基本方針実現に向けた都の関係局長会議で示された。小池氏は会議で「最優先すべきは豊洲への円滑な移転。不安や思いをしっかり受け止めて進める」と述べ、関係者への丁寧な説明を続けて調整を行うよう指示した。

 スケジュールによると、今年8月中旬までに敷地全体に盛り土があることが前提になっていた環境影響評価(アセスメント)の変更届を都環境局に提出。環境影響評価審議会が、盛り土の代わりに設置された地下空洞の換気機能整備や地下水管理システムの機能強化などの追加工事が妥当かを検討する。

 その後、補正予算を経て約6カ月かけて追加工事を実施、農林水産相の認可を経て30年春~秋には移転が可能になるとした。ただ、移転時期は業界団体との調整が必要な上、小池氏の豊洲・築地両立案には業界内でも賛否が分かれており、不確定要素が多い。

 移転の条件として市場当局が都議会に説明し、都議会の付帯決議に明記された土壌汚染の無害化は撤回。小池氏はこの日の会見で「新しい都議会でしっかり議論していただく」とし、都議会に方針転換への理解を求めていく考えを示した。