百条委、証人喚問始まる 浜渦元副知事が焦点に 豊洲水面下交渉の解明どこまで

豊洲問題

 豊洲市場(東京都江東区)移転問題を検証する都議会百条委員会は11日から証人喚問が始まった。移転を決めた石原慎太郎元知事は3日の会見で「移転を裁可した責任はあるが、都議会を含めた都庁全体の責任」と指摘し、用地買収交渉は「部下に一任していた」と述べた。石原氏が見解を示したことで、注目は交渉担当の浜渦武生元副知事らの喚問に移るが、喚問が不発なら百条委が「都議選前のパフォーマンス」との批判を浴びかねず、都議会にとっても正念場となる。

 喚問では11日と18~20日に計21人が証言する。ポイントは(1)東京ガスの工場跡地が移転先に選ばれた理由(2)用地買収交渉の経過(3)土壌汚染対策費の追加負担を東ガスに求めないとしたことの妥当性-だ。

 築地の移転先で都は、豊洲や晴海など5カ所を比較検討していた。20日喚問予定の石原氏は会見で、「自分の知事就任(平成11年4月)前から豊洲は既定路線」と強調。百条委に提出された都の資料から、石原氏への青島幸男元知事からの引き継ぎ書類に移転先として豊洲のみが記されていたことが新たに判明し、「豊洲既定路線」発言が裏付けられた。石原氏は東ガスとの交渉も「浜渦氏に一任し、詳細は把握していない」としている。

 このため、焦点は11日の東ガス関係者、19日の浜渦氏の喚問となる。東ガスは当初、市場には適さないとして難色を示していたが、交渉役の浜渦氏が12年10月、「水面下でやりましょう」と提案し、13年7月には移転で基本合意。土壌汚染対策費は、23年3月の売買契約時、東ガスに将来的な負担を求めない「瑕疵(かし)担保責任の放棄」が盛り込まれた。ただ、17年に浜渦氏は副知事を退いている。

 水面下交渉は不明な点が多いが、百条委に提出された資料には、交渉に関する東ガスの議事録などが含まれる。百条委の都議は「東ガス資料が鍵」とみる。

 一方、百条委設置を全会一致で可決した都議会の見識も問われる。特に、自民、公明は移転を推進し、民進も途中から移転賛成に傾いた。

 百条委に所属していない都議は「内容のある答弁を引き出せなければ、都議会全体が非難されかねない」と懸念している。

 小池百合子都知事は10日の会見で百条委について、「工事費用の高騰や瑕疵担保責任について、都民の知りたいことが明らかになるか注視したい」と述べた。