海洋安保 反中国で一致 ケリー氏「私たちがひとつの声で発言すると、どんなに強さを増すか」

G7外相会合
G7外相会合の2日目の討議に臨む、岸田外相(右奥)ら各国の外相=11日午前、広島市(代表撮影)

 11日に閉幕した先進7カ国(G7)外相会合がまとめた「海洋安全保障に関するG7外相声明」は、名指しこそは避けつつも、ほぼ半分が中国による海洋進出への懸念や反対を示す内容となった。核なき世界の実現をうたう「広島宣言」でも、中国の核戦力の透明性向上を迫った。会合はG7の総意として、対中牽制(けんせい)がちりばめられた形だ。

 日本外務省幹部は外相声明の狙いを「中国を批判することが目的ではなく、どうやって中国の行動を変化させるかに焦点を当てた」と説明する。

 今回の声明は初めて、海洋安保の「仲裁手続き」に言及した。これは南シナ海における中国の領有権主張は不当としてフィリピンがオランダ・ハーグ常設仲裁裁判所に提訴していることに対し、中国が決定に従わない意向を示していることが念頭にある。

 日米は南シナ海での中国の動きに対し足並みをそろえてきた。一方、英仏独伊は中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバーとなるなど、日米とは温度差もあった。だが、今回の会合では海洋安保や北朝鮮情勢をめぐり「発言者を遮って誰かが発言するほど白熱した」(外務省筋)といい、欧州勢がアジアの安定を重視する姿勢も際立った。

 ケリー米国務長官は11日の外相会合閉幕後の記者会見でこう語った。

 「私たちがひとつの声で発言すると、どんなに強さを増すかを認識した」(田北真樹子)