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世界遺産のロスキレ大聖堂 デンマーク【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

白洲信哉 旅と美

世界遺産のロスキレ大聖堂 デンマーク【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

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世界遺産のロスキレ大聖堂 デンマーク【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

 デンマークの首都コペンハーゲンから約30分、ロスキレ・フィヨルド最奥の小都市ロスキレは、すでに九世紀には都市が築かれデンマークの最も古い町の一つである。駅から住宅街を歩いていくと程なく中心部の歩行者天国があり、デンマーク初の大寺院である世界遺産ロスキレ大聖堂が見えてくる。

 十二世紀半ばにロマネスクとゴシックを主調に、その後幾度となく増改築を繰り返し、建築様式が混在しているが、見事に景観が調和している。フィヨルドにむかってなだらかにひらけていて、75メートルもの高さをほこる尖塔と、レンガ造りの外観が、独特の雰囲気を醸し出しており、歴代の王が葬られるにふさわしく、デンマークの歴史がここから始まったことを物語る実景である。

 内部に目を転じると、正しく「棺の博物館」の異名のとおり、豪華に装飾された大理石の棺は見応え十分ある。デンマークにはデザインの優れた家具などが多いのは、こうした棺の芸術品とも言える装飾彫刻や、黄金の祭壇に天窓の装飾画、こまやかな細工が施された窓の格子などに起源があるのかもしれないと僕は思った。(文・パノラマ写真 白洲信哉氏)
(撮影機材:リコー THETA S )

白洲信哉(しらす・しんや) 白洲信哉(しらす・しんや)  文筆家。昭和40年生まれ、東京都出身。日本文化の普及に努め、展覧会など文化イベントの制作にも携わる。最新刊「旅する舌ごころ」(発行・誠文堂新光社)発売中。