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天の川から見守って 石巻・大川小【東日本大震災10年】動画あり

東日本大震災

天の川から見守って 石巻・大川小【東日本大震災10年】動画あり

更新 sty2102220008
冬の夜空に、かすかにとらえた天の川。震災から10年たっても変わらない星空が、大川小の上で輝いている =宮城県石巻市(鳥越瑞絵撮影) 冬の夜空に、かすかにとらえた天の川。震災から10年たっても変わらない星空が、大川小の上で輝いている =宮城県石巻市(鳥越瑞絵撮影)
2011年7月6日付、産経新聞の掲載された記事
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2011年7月6日付、産経新聞の掲載された記事フルスクリーンで見る 閉じる

 「天の川から見守って」

 平成23年7月6日の紙面にそんな見出しがつけられた私の写真が掲載された。東日本大震災で児童74人、教職員10人が犠牲となった市立大川小学校(宮城県石巻市)の校舎に昇る天の川を撮影した写真だった。

 掲載からしばらくして、同校に通う12歳の長女が行方不明になっていた母親から、東京本社に一本の電話が入った。「あの写真を(子供を捜索する)保護者に配りたいんです」

震災遺構としての整備が進む旧大川小学校 =宮城県石巻市(鳥越瑞絵撮影)
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震災遺構としての整備が進む旧大川小学校 =宮城県石巻市(鳥越瑞絵撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 10年がたち、あのとき電話をもらった平塚なおみさん(47)と夫の真一郎さん(54)に取材する機会を得た。保護者ら多くの人が、なぜあの写真を求めていたのかを改めて尋ねた。

震災遺構としての整備が進む旧大川小学校。奥の壁には児童の描いた絵が残されている =宮城県石巻市(鳥越瑞絵撮影)
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震災遺構としての整備が進む旧大川小学校。奥の壁には児童の描いた絵が残されている =宮城県石巻市(鳥越瑞絵撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 「楽しい場所だったはずの学校で子供たちの命が奪われ、校舎を見たくない保護者が多くいました。でもあの写真を見た時に、(亡くなった)子供たちが星になったという気持ちになれた。私たちの癒やしになったんです」

震災遺構の整備が進む旧大川小学校。この日は吹雪が校舎を打ちつけた =宮城県石巻市(鳥越瑞絵撮影)
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 なおみさんの大きな目から涙がこぼれた。

 震災発生から約5カ月、行方不明だった長女の小晴(こはる)ちゃんが遺体で見つかった。生きていれば22歳になる。

震災遺構としての整備が進む旧大川小学校 =宮城県石巻市(鳥越瑞絵撮影)
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 真一郎さんは「当時は娘に会うために死んでもいいと思っていた。ある時から、娘が(私たちを)どう見ているかという基準で考えるようになったんです。父親が泣いていたら娘が笑顔になれない」と心境の変化を語る。

大川小学校に上る天の川とオリオン座 宮城県石巻市(比較明合成、鳥越瑞絵撮影)
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大川小学校に上る天の川とオリオン座 宮城県石巻市(比較明合成、鳥越瑞絵撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 2月の夜、私は10年ぶりに同じ場所での撮影を試みた。冬の天の川は目視できない。長時間露光でかすかにとらえることができた光の帯が、姿は見えなくてもいつも家族を見守る子供たちと重なった。(写真報道局 鳥越瑞絵)

■関連【360°パノラマ】大川小学校(2011年3月21日-2021年1月13日)

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