月命日の震災語り部再開 「災害時の行動心に」宮城
更新 sty2006110012東日本大震災で住民の約3分の1に当たる93人が犠牲になった宮城県気仙沼市の杉ノ下地区で、新型コロナウイルスの影響により自粛していた月命日の語り部活動が11日、再開した。津波で家族を失った遺族が「災害では何が起きるか分からない。どう行動するか心に留めておいてほしい」と訴えた。
団体客ら18人が参加。10メートル以上の津波が地区で避難所に指定されていた高台を襲った。近くで被災した三浦祝子さん(75)は「ここまで来れば安心と思っていた」と説明。亡くなった夫正三さん=当時(67)=との結婚記念日が3月11日で、津波の2~3時間前には「子どもたちは一人前になったな」などと普段より話をしたという。
階上地域まちづくり振興協議会語り部部会の近藤公人部会長は「感染防止に注意しながら、震災の実態と命を守るすべを伝えていきたい」と話した。