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【廃炉へ~福島第1原発は今】(中)今なお残る爆発事故の惨状 がれき撤去続く1号機

東日本大震災

【廃炉へ~福島第1原発は今】(中)今なお残る爆発事故の惨状 がれき撤去続く1号機

更新 sty2005160021
爆発当時の惨状が今も残る1号機原子炉建屋の上部。この下に392体の燃料が残されている =東京電力福島第1原発(芹沢伸生撮影) 爆発当時の惨状が今も残る1号機原子炉建屋の上部。この下に392体の燃料が残されている =東京電力福島第1原発(芹沢伸生撮影)

 東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)を取材や視察で訪れると、高台約100メートルの距離から事故を起こした1号機の原子炉建屋を見ることができる。防護服や特別なマスクなどを身に着けずに行ける場所だが、爆発現場の生々しさには、思わず息をのんでしまう。

爆発で吹き飛んだ3号機の原子炉建屋。厚さ1メートル以上ある壁が崩れ鉄筋がむき出しになり破壊力を物語る =東京電力福島第1原発(芹沢伸生撮影)
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爆発で吹き飛んだ3号機の原子炉建屋。厚さ1メートル以上ある壁が崩れ鉄筋がむき出しになり破壊力を物語る =東京電力福島第1原発(芹沢伸生撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 東日本大震災の津波で電源を喪失し、冷却機能を失った1号機は、地震から丸1日たった平成23年3月12日午後、水素爆発を起こした。この爆発で、後に事故を起こす2、3号機の電源ケーブルも損傷した。

 爆発の衝撃で建屋の屋根は粉々になり、天井クレーンや5階のオペレーティングフロア(オペフロ)に崩れ落ちた。つぶれた天井クレーンや無数の鉄筋が崩落した屋根の一部は、今も残存している。

 事故から9年以上経過しても、当時の状況が残っていることには驚くばかり。これが現場に容易に近付くことができない、原発事故の怖さでもある。

 がれきに埋もれるオペフロの下には使用済み燃料プールがあり、使い終わった核燃料392体が今も残っている。現在、その取り出しに向けて、膨大な量のがれきの撤去作業が続く。現場は放射線量が高く、重機は遠隔操作で動かしている。放射性物質を含んだほこりが舞うことのないよう、飛散防止剤の散布も欠かせない。

3号機の西に建つ電気の昇圧設備が入っていた開閉所。放射線に無関係なため解体などは後回しになっている =東京電力福島第1原発(芹沢伸生撮影)
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3号機の西に建つ電気の昇圧設備が入っていた開閉所。放射線に無関係なため解体などは後回しになっている =東京電力福島第1原発(芹沢伸生撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 また、がれきの撤去中に天井クレーンがオペフロに落下すれば、大惨事につながりかねない。そのため、東電では今秋頃をめどに壊れた天井クレーンを支える、はりや柱などを設置する計画だ。作業実施に向けて、実物大の模型による実験も繰り返し行われた。ただ、天井クレーンを撤去する工程は、まだ決まっていないという。

 がれきが片付いた後は、そこに燃料を取り出す機械を設置する。そして、ようやく使用済み燃料の取り出しに着手できる。東電の広報担当者は「令和9~10年度の燃料取り出しを目指している」と説明する。

 今まで誰も経験したことがない、事故を起こした原発の廃炉作業。未曾有の事故から10年目に入っても、現場では今も手探りの作業が続いている。

 なお、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、東電福島第1原発の視察の受け入れは現在中止されている。(福島支局 芹沢伸生)

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