強風の中発進、ブルーインパルスが聖火到着を祝福
更新 sty2003200008 「本当に飛ぶのか」「今日は無理だよ」。
宮城県東松島市の航空自衛隊松島基地で行われる聖火の「到着式」で、空自のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が披露する展示飛行を、同基地の外で待つコアなファンの間からため息が漏れた。
東松島市では20日、暴風警報が発令され、アテネで採火された聖火をのせた輸送機「TOKYO2020号」は午前11時からの式に合わせて着陸する予定の変更を余儀なくされた。強風のため新幹線も遅延。橋本聖子五輪相ら一部出席者の会場入りが遅れた。
式典が始まる直前になっても強風が止むことはかった。格納庫前にはブルーの機体だけが並んでいた。「やっぱりな」ファンが諦めかけたその時、整備士らが姿を見せる。期待が高まった。パイロットが機体に乗り込み、発進すると、辺りは歓声に包まれた。
少し遅れて始まった式典では、ともに五輪3連覇を果たした柔道男子の野村忠宏さんとレスリング女子の吉田沙保里さんが聖火の灯ったトーチで聖火皿に点火。絶妙のタイミングで上空には6機の編隊が現れた。大空に五輪マークを描く。5色のスモークは強風で流されたため、完璧な形とはならなかったが、後方に待機していたチームが大空に祝福の“虹”を架けた。
自衛隊関係者は「難しい条件の中、よく飛んでくれた。感動した」と話した。
カラースモークは1998年長野冬季五輪の開会式でも使用したが、染料が地上の物に色を付けてしまうため改良された。
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