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【美しきにっぽん】冬告げる 真っ白なトンネル 干し大根やぐら・宮崎市田野町

自然・風景

【美しきにっぽん】冬告げる 真っ白なトンネル 干し大根やぐら・宮崎市田野町

更新 sty2001090001
漬物用の大根が干されるやぐらの内部。トンネルのようなやぐらは約150メートル続く =宮崎市田野町 漬物用の大根が干されるやぐらの内部。トンネルのようなやぐらは約150メートル続く =宮崎市田野町
鰐塚山から吹く風を利用して大根を乾燥する
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 午前7時すぎ。夜が明けたばかりの畑に、1台のトラックが到着した。荷台からこぼれそうなほどの大根を積んでいる。トラックがくぐり抜けるやぐらには、真っ白な大根が空を覆うように整然と並んでいた。

収穫の合間に休憩する農家ら。「ナナッチャ」と呼ばれる風習だ
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収穫の合間に休憩する農家ら。「ナナッチャ」と呼ばれる風習だフルスクリーンで見る 閉じる

 宮崎市田野町。県南部にある標高1118メートルの鰐塚山(わにつかやま)から吹き降ろす風を利用した漬物用の大根栽培が盛んだ。昭和35年頃から続く伝統の農法で、12月初旬から高さ約6メートルの竹と杉で作ったやぐらで約2週間乾燥し、漬物工場でたくあんに加工する。

干し大根やぐら
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 朝の最低気温は0.7度。農家の野田悦男さん(62)の畑でも、1日の作業が始まった。野田さんや従業員ら4人が1時間かけ、やぐらに大根を干していく。そのなかに、永友聡一郎さん(31)の姿があった。

 県内の工業高校を卒業した後、一度は工場に就職したが「宮崎を代表する農産物を守りたい」と退職。農林水産省が次世代を担う農業者を目指す人々のために設けた研修生として、平成30年から野田さんのもとで大根栽培を学んでいる。

 やぐらは朝露で冷たくぬれ、息が白く広がる。乾く時間を考え、やぐらの上の方には大きく重いものをかけているという。数えると1日に約3000本もかけていた。

干し大根やぐら
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 かけ終えると、すぐに近くの畑で大根を収穫する。泥を洗い落とすと、再びやぐらでの作業が続いた。収穫、結束、洗浄、乾燥の作業を2回繰り返し、終わるころには日が沈んでいた。

 大根栽培は町の発展を支えてきた。町内には約250ヘクタールの畑が広がる。しかし近年は生産量が減少。29年は約4400トンと、最盛期だった6年の3分の1に減少した。

 そうしたなか、永友さんは野田さんのもとにやってきた。農家や地元の従業員は顔なじみの関係。外からこの道に入った永友さんはなじむまで時間がかかり休むこともあったという。

 「ゆっくり、またできるときに畑に出てきて」。そんな永友さんを、野田さん夫妻は息子のようにかわいがり励まし続けた。

干し大根やぐら
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 普段、会話は少ないが、怒られることもある。「きついときも妥協しない。(野田さんの)後ろ姿を見て、農業に対する姿勢を学んでます」。一人前の農家になるために毎朝、野田さんとともに畑に立つ。

 「自分の畑を持つ」

 令和2年度まで学び、自立を目指す永友さん。伝統を継ぐという夢を定めたまなざしの先、澄んだ青空にやぐらの大根が白く鮮やかに映えた。(写真報道局 沢野貴信) 

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