薬師寺に響く天平の鐘 奈良、来年5月まで
更新 sty1912190012奈良市の薬師寺は19日、昭和の金堂再建(1976年)に合わせて造られた鐘楼の鐘を、1300年前の天平(奈良)時代の鐘(国重要文化財)に取り換えた。解体修理中の国宝東塔が来年春に落慶するのに伴い、鐘も同5月中旬まで設置する予定。午前5時と午後5時に鳴らすほか、31日午後11時から除夜の鐘を突くための整理券を配布する。
薬師寺によると、鐘は銅製で高さ約2メートル、直径約1.3メートル、重さ約3トン。鐘の側面に室町時代にできたひびが残り「西ノ京破れ鐘」との名で親しまれてきた。午前10時から10人ほどの作業員がクレーンなどを使って作業。つりかえるのは約30年ぶりという。
薬師寺の根来穆道・伽藍主事は「奈良時代の鐘の音を聞いてもらえれば」と話した。