「有給なんて都市伝説」など、有休未消化の無念を“供養” 体験談に僧侶が読経
更新 sty1912100012「わが子の誕生日会が7カ月遅れた」「毎年9割使えず定年を迎えた」-。消化できず悔しい思いをした有給休暇にまつわる体験をしたためた灯籠を並べ、僧侶が読経してその無念を“供養”するイベントが10日、大阪市内で開かれた。今春から年5日の有休(年休)取得が義務化されたことなどを受け、意識向上を図るのが狙い。
広告企画制作会社「人間」(大阪市)が主催。薄暗い会場にずらりと並んだ灯籠約300基には、全国から募集された体験談が記され、中には「祖父母との別れに立ち会えなかった」という深刻なものも。休暇中に会社から呼び出されたのか「服装だけ南国で出社」というつらい記憶や、休日でも電話がかかってくる「『休み中にごめん』が鳴りやまない」というエピソードもあった。
木魚をたたいて読経した浄土宗の僧侶佐山拓郎さん(44)は「仏教の教えには戦い続けなければならない世界『修羅界』という考え方がある。そのような場所で働く人に届けば」と話した。