360°はアイドルの武器に【SKE48の鎌田さん、太一監督対談】Vol.1
更新 sty19092000012017年から産経新聞公式YouTubeチャンネル、産経フォトで「RICOH THETA(リコー・シータ)(以下、THETA)による360度動画の連載を行っている映画監督、脚本家、映画プロデューサーの太一氏(以下太一)と、2013年からSKE48、チームEに所属し、ライブ活動やテレビ出演を行っている鎌田菜月さん(以下鎌田)が東京・上野の東京国立博物館内にある重要文化財、表慶館で対談を行った。普段、スマートフォンの写真に慣れ親しんでいる鎌田さんは、太一氏から360度画像の魅力やTHETAの使い方を教えてもらい、「自分を表現する上ですごい武器になる!」と感激の面持ち。一緒に表慶館での撮影を楽しみながら、会話に花を咲かせた。【PR】企画制作 産経新聞メディア営業局
話題になる表現方法
鎌田 THETAは以前から面白そうだなと思っていて、友人の20歳の誕生日にプレゼントしました。撮影した画像を見せてもらい、感動しました。
太一 最初は、「何だこれ?」からなかなか先に行かないと思います。このTHETAというカメラのシリーズ、クリエーターであるアーティストと演者側のアーティストからしたら、面白くなければ意味がないと思っています。だから、アイドルという特種な職業の人がTHETAを使うと何が起こるかという、ものすごい得な使い方を教えておこうかなと思っています。
セルフディレクション、セルフプロデュースのうまいアイドルと、マネジャーに頼りっきりのアイドルと、2極化している中で、鎌田さんは自立育成支援型アイドルの環境にいらっしゃる。他のアイドルが絶対にできないセルフプロデュース、ディレクションを持って帰ってもらえればと思っています。
鎌田 ぜひ、一つ新しい表現方法を増やしたいですね
太一 THETAは使いこなせれば武器になると思います。ハリウッドのスターたちもまだできていないものだから、「この子、こんなことできるの?」という話題性にもつながると思いますよ。
鎌田 すごいな。ぜひ、よろしくお願いいたします。アイドルは写真を撮られるだけでなく、撮るケースも多いと思います。私たち、48グループメンバーはブログ、ツイッター、インスタグラムなど複数実施しています。自分から発信し、そこからネットニュースになるメンバーもいます。また、ファンに撮ってもらうイベントもありますので、写真に触れる機会は多いです。自分が今までアイドルとして映った写真が世の中に何枚あるのか、もう分からないぐらいの枚数になっていて、身近な表現方法ではありますね。
太一 現代は自己表現という時代でもあるので、インスタでもツイッターでも、SNSの中で決められた表現方法で発信するだけではなく、360°の技術を使いこなすアイドルがいても面白くないでしょうか? ファンたちからしたら「ちょっと待って。それ私たちできないんだけど」っていう感想を持つくらいでもいいのではないでしょうか。
ファンの人たちも良いカメラを持っていると思いますけれど、THETAのような映像を撮るカメラは使っていないと思います。それをポケットから出して、サラッとアップし続けたら、すごいことが起こると思います。世界中に360°カメラはたくさんありますが、THETAほど安定している360°カメラはありません。また使い方も直感的でいいのが強みなんです。
専用劇場でも360°撮影
鎌田 最初に使って驚いたのは、簡単なんだということでしたね。友達にプレゼントした場所で撮ったのが1枚目なのですが、簡単にアプリと連動し、共有もその場ででき、直感的にこの技術を自分たちの手元でパソコンもなく使えるのには驚きました。
太一 各種SNSが360°画像を追いかけてきている状態なので、ぜひ、使い続けた方がいいと思います。最初は話題になりにくいかもしれない。アメリカの映像業界の人間たちも、360°画像についてまだあまり詳しくないんです。360°作品も多くはないし、ちょっと特種な進化をしていくのだろうと思っていますが、アイドルという職業の人たちが使い始めたら、それは、自分の中では衝撃的なんですよね。
鎌田 SKE48は、専用劇場でのパフォーマンス、公演を強みにしています。そこの映像を360°で撮影をしていて、ファンもどこを見ても自分の見たい子が見えるということに驚いていました。会いに来れるアイドルという部分を画像でカバーしてくれるツールなのかなと思います。
太一 今までの写真であれば写真の中の被写体という見え方をしているけれども、360°を撮影すると「あ、君、ここにいたんだね」というようにあとから発見されてしまう近さがある。
鎌田 求められていることに、どう返せるか、というところは重要だと感じています。それを撮る側の技術力を知った上でということですよね。
太一 そうですね。あとは、逆かもしれない。「あなたはこう撮りたいと思うけど、私はこれで行く」と。技術を持っていればそれができる。
鎌田 知っていれば同じ目線に立てますね。
太一 鎌田さんが機材に詳しかったら、撮る側も演出する側も「こうして、ああして。あと、鎌田さんはどうしたいですか?」という緊張感を生む意味でもいいと思う。
鎌田 お互い同じ目線で仕事ができ、良い緊張感を持って、作品に臨めますね。
太一 アーティストがクリエーター側に近づくと表現者というものに集約されていくのかなと思います。
鎌田 よりよいものが出来上がりそうですね。
◇Vol.2に続く◇
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