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【活写2019】島と人 明日へとつなぐ しまなみ街道 開通20年(尾道⇔今治)

遺跡・建造物

【活写2019】島と人 明日へとつなぐ しまなみ街道 開通20年(尾道⇔今治)

更新 sty1904160010
3つのつり橋からなる来島海峡大橋。全長59.4キロのしまなみ海道の橋梁点検は全て目視で行われる =2日、愛媛県今治市(鳥越瑞絵撮影) 3つのつり橋からなる来島海峡大橋。全長59.4キロのしまなみ海道の橋梁点検は全て目視で行われる =2日、愛媛県今治市(鳥越瑞絵撮影)
生口島の精肉店「岡哲商店」の岡田豊子さん(左)と姪の愛恵(よしえ)さんが揚げるコロッケは地元住民だけでなく自転車に乗った観光客にも人気だ =広島県尾道市(鳥越瑞絵撮影)
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生口島の精肉店「岡哲商店」の岡田豊子さん(左)と姪の愛恵(よしえ)さんが揚げるコロッケは地元住民だけでなく自転車に乗った観光客にも人気だ =広島県尾道市(鳥越瑞絵撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 元号が令和(れいわ)に変わる5月。新時代がスタートするその日に20年の節目を迎えるのが、広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ「しまなみ海道」だ。平成11年に全線開通し、本州と四国、瀬戸内の島と島をつなぐ全長59.4キロのルートの日常を知りたくて、カメラを手に訪れた。

広島県と愛媛県の県境にある多々羅大橋でサイクリングを楽しむ人たち。爽やかな潮風が心地よい =愛媛県今治市(鳥越瑞絵撮影)
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広島県と愛媛県の県境にある多々羅大橋でサイクリングを楽しむ人たち。爽やかな潮風が心地よい =愛媛県今治市(鳥越瑞絵撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 四国と大島とを結ぶ来島(くるしま)海峡大橋(今治市)。地上183.9メートルの主塔から、ケーブルの点検に立ち会った。眼下に車が小さく見え、強風で体が宙に浮くような感覚を覚える。本州四国連絡高速道路しまなみ今治管理センターの日高裕司・橋梁維持課長(51)は「毎日、海道の橋のどこかで点検を行っています」と説明してくれた。

 もともと海道の橋は、島の利便性を上げる目的で造られた。原付きバイクや自転車・歩行者道が設けられているのはそのためだ。9年ほど前から島を走る道路に、推奨ルートを示す青い線が引かれるなどサイクリング環境の整備が進められ、「聖地」として注目を集めるようになった。大阪から自転車を車で持ち込んだ豊田祐子さん(29)は「島の人にはホスピタリティーを感じます」。風景だけではなく、地元の人たちのもてなしに心癒やされるという。

しまなみ海道の橋で唯一自動車道の下に自転車・歩行者道がある因島大橋。島民にとって欠かすことができない生活道路だ =広島県尾道市(鳥越瑞絵撮影)
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しまなみ海道の橋で唯一自動車道の下に自転車・歩行者道がある因島大橋。島民にとって欠かすことができない生活道路だ =広島県尾道市(鳥越瑞絵撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 生口島(いくちじま)(尾道市)で自転車とバイクの販売・修理を行う河原康治さん(70)は「島民だけだった自転車の修理需要が一気に増えた。(修理をした)全国のお客さんから手紙が来るのが楽しみ」と笑顔を見せ、「通り過ぎるだけでなく、島の生活のにおいを嗅いでいって」と話した。

来島海峡大橋が見える展望台には多くの観光客が訪れる =愛媛県今治市(鳥越瑞絵撮影)
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来島海峡大橋が見える展望台には多くの観光客が訪れる =愛媛県今治市(鳥越瑞絵撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 自転車以外にも、海道は島民の生活にさまざまな変化をもたらした。開通前は客船に乗務していた向島(むかいしま)町漁業協同組合(尾道市)の田頭信親組合長(75)は「橋ができて、船を下りざるを得なかった人もいる。でも船だと1日がかりだった隣の因島への墓参りが2時間もあれば行ける」と複雑な胸中を話す。

多々羅大橋 =4日、愛媛県松山市(鳥越瑞絵撮影)
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多々羅大橋 =4日、愛媛県松山市(鳥越瑞絵撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 「建設時は耐用年数100年の想定でしたが、200年もたせることを目標にしています」。日高課長が胸を張った。島と島をつないできたしまなみ海道。新しい元号になっても、そしてきっとその先も、変わらずに人と人とをつないでいく。(写真報道局 鳥越瑞絵)

■関連【360°パノラマ】橋の主塔から見た「しまなみ海道」

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