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平成最後の花見、猫も満喫 美術館では…? 広島・尾道の千光寺公園

生き物

平成最後の花見、猫も満喫 美術館では…? 広島・尾道の千光寺公園

更新 sty1904080010
「花冷え」の早朝、桜の木の上で強い日差しを浴びて暖を取っていた猫=3日、広島県尾道市(尾崎修二撮影) 「花冷え」の早朝、桜の木の上で強い日差しを浴びて暖を取っていた猫=3日、広島県尾道市(尾崎修二撮影)
「リアル招き猫」発見! 右手で招くのは「金運」との事ですが、果たして…=広島県尾道市(尾崎修二撮影)
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「リアル招き猫」発見! 右手で招くのは「金運」との事ですが、果たして…=広島県尾道市(尾崎修二撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 5月からの新元号「令和」が発表され、いよいよ改元へのカウントダウンがはじまった。
 広島県尾道市の千光寺公園は「平成最後の桜」を満喫しようと訪れた花見客で賑わっている。
 県内屈指の桜の名所として名高い千光寺公園には、ソメイヨシノをはじめとして約20種類・1500本の桜が咲き誇る。ふと視線を足元に落とすと、そこには昼寝中の猫。花見客の喧噪を避け、静かな場所でのんびり過ごす“公園の住民”の姿に、思わず頬が緩む。花に目を、猫に心を癒やされて、誰もが新たな時代を和やかに迎えたいと感じるかも。

仁義ニャき?闘い…

尾道市立美術館で警備員を務める馬屋原定雄さん。侵入してきた茶トラ猫を優しく抱き上げて館外へ…。その“攻防”がSNS等で拡散、大きな話題を呼んでいる(尾道市立美術館提供)
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尾道市立美術館で警備員を務める馬屋原定雄さん。侵入してきた茶トラ猫を優しく抱き上げて館外へ…。その“攻防”がSNS等で拡散、大きな話題を呼んでいる(尾道市立美術館提供)フルスクリーンで見る 閉じる

 そんな千光寺公園で、尾道市立美術館が近年新たな注目スポットになっている。といっても昭和55年に設立、平成15年に建築家・安藤忠雄氏の設計でリニューアル・オープンした歴史ある美術館なのだが…何が新しいかというと「猫が見学に来る」というのだ。
 自動ドアを自在に操り館内に侵入する黒猫と、警備員の熾烈な攻防が短文投稿サイト「ツイッター」で拡散され大きな話題となった。
 3年ほど前のある日、さも当り前の様な顔で館内に入ってきた黒猫に、警備員の馬屋原定雄さん(69)は「大事な美術品に近付けるわけにはいかない」と抱えて建物の外へ。しかし黒猫は諦めない。その後も何度となく侵入を繰り返しては追い出されの“攻防”が展開されることとなった。

尾道市立美術館で警備員を務める馬屋原定雄さん。侵入してきた黒猫を優しく抱き上げて館外へ…。その“攻防”がSNS等で拡散、大きな話題を呼んでいる(尾道市立美術館提供)
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尾道市立美術館で警備員を務める馬屋原定雄さん。侵入してきた黒猫を優しく抱き上げて館外へ…。その“攻防”がSNS等で拡散、大きな話題を呼んでいる(尾道市立美術館提供)フルスクリーンで見る 閉じる

 なぜ、館内に入りたがるのか?馬屋原さんは「入り口付近のガラス越しに見える展示物の中にリアルな猫の置物があるので『入ってもいいんだ』と思ったのかも」と笑うが、もちろん、本ニャンに聞いたわけではないので真相は黒猫のみぞ知る、だ。
 ツイッターへの投稿を主に行っているのは美術館の学芸員を務める梅林信二さん。同館ではこれまでに「岩合光昭写真展~ねこ~」「招き猫亭コレクション 猫まみれ」「浮世絵づくし にゃんとも猫だらけ」と猫関連の企画展を開催しており、「スタッフの間では“尾道市立美術館三部作”と呼んでいます」と笑う梅林さん。尾道を舞台とした映画で知られる大林宣彦監督へのオマージュということか。

猫と人間、ともに幸せに

「花冷え」の早朝、桜の木の上で大あくびをする猫=2日、広島県尾道市(尾崎修二撮影)
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「花冷え」の早朝、桜の木の上で大あくびをする猫=2日、広島県尾道市(尾崎修二撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 猫に関わる企画は今後も続くそうで「次は“新・尾道市立美術館三部作”を考えています」と勢いは止まらない。大きな話題となった要因について梅林さんは「自由気ままな猫と、お堅いイメージの美術館、そして警備員というギャップのある存在による、何ともほほえましい攻防が見る人の心に刺さったのでは」と分析する。
 イギリスやドイツの新聞のWEB版に掲載されるなど、海外からも大きな注目を集めているが、梅林さんは「大事なのは猫と人間がともに幸せに暮らすことのできる世の中に貢献できるような情報を発信すること。それを常に一番に考えています」と話す。猫たちにとって、この上なく心強い存在だ。もちろん、他のスタッフも全員、猫好きだという。始業前、休憩時間、終業後…ふとした瞬間に見かける猫の姿に皆、心を癒やされているそうだ。

朝の千光寺公園で出会った猫。尾道水道を背に「人間観察」をしているようだった。レンズを向けて話掛けたら…大あくびで応えてくれた=広島県尾道市(尾崎修二撮影)
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朝の千光寺公園で出会った猫。尾道水道を背に「人間観察」をしているようだった。レンズを向けて話掛けたら…大あくびで応えてくれた=広島県尾道市(尾崎修二撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 美術館のスタッフが猫を優しく見守り、猫たちは“招き猫”さながら、人々を美術館へと誘う。この理想的な関係が末永く続いて欲しい…。そんな気持ちにさせてもらった。
 せっかく尾道に来たのなら、花見だけではもったいない。“猫見”に“芸術”“映画の聖地巡礼”そして瀬戸内の潮風の香りを満喫しながら休憩…思い思いの特別な時間を過ごして欲しい。(写真報道局 尾崎修二)

◇尾道美術館では現在「リサ・ラーソン展」を開催中。スウェーデンの陶芸家「リサ・ラーソン」の作品が数多く展示されている。日本未発表の作品を含む約190点に加え、彼女のインタビュー映像など、その人物と魅力についても紹介される。5月6日まで(月曜日休館、祝日は開館)

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