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不幸な猫を増やさない! 3月22日は「さくらねこの日」 東京・練馬で猫シンポジウム 

生き物

不幸な猫を増やさない! 3月22日は「さくらねこの日」 東京・練馬で猫シンポジウム 

更新 sty1903120005
NPO法人「ねりまねこ」の看板的な存在でもある「カッパちゃん」。見ての通り、個性的な白黒模様に多くのファンを持つ人気者。右耳はサクラの花びらのようにカットされ、亀山夫妻に温かく迎えられた〝さくらねこ〟だ。(NPO法人ねりまねこ提供) NPO法人「ねりまねこ」の看板的な存在でもある「カッパちゃん」。見ての通り、個性的な白黒模様に多くのファンを持つ人気者。右耳はサクラの花びらのようにカットされ、亀山夫妻に温かく迎えられた〝さくらねこ〟だ。(NPO法人ねりまねこ提供)

住民・行政・ボランティア・獣医の「4者連携」

 そこで、TNRを先行し、行政のお墨付きを得た上で、登録ボランティアによる地域猫活動を進めるのが今現在のベストだと話すのは石森氏。練馬区の職員として地域猫活動やボランティア制度の立ち上げに尽力し、現在は地域猫活動のアドバイザーとして各地で講演を行うなど、自治体の枠を越えた活動で猫たちの命を救い続けている石森氏のスタンスは、住民・行政・ボランティア・獣医師の4者の連携こそが重要だというものだ。
 ボランティアの力で保護されたノラ猫が、獣医師によって不妊手術を受け「これ以上増えない」という事実を地域住民に広く広報すれば、多くの人々が猫の一代限りの一生を見守る事に理解を深めるはずだ。そこに行政のお墨付きがあれば、一層効果的だと石森氏は話す。

「継続可能な活動が結果的に多くの命を救う」

穏やかな寝顔を見せる猫。耳には〝さくらの花びら〟=2014年、福岡県北九州市の藍島(尾崎修二撮影)
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穏やかな寝顔を見せる猫。耳には〝さくらの花びら〟=2014年、福岡県北九州市の藍島(尾崎修二撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 獣医師の稲垣氏は2014年、ノラ猫や地域猫の不妊手術を専門とする「いながき動物病院」を埼玉県越谷市で開業し、18年には年間約5000匹の不妊手術を行うなど、TNRを推進することで「殺処分ゼロ」を目標に掲げる。「不妊手術はコストパフォーマンス最強なんです」という言葉に一瞬ぎょっとしたが「屋外で生きる猫には病気や怪我がつきもの。その治療にはボランティアや医師の労力のみならず、多額の費用が派生します。不妊手術さえしていれば不幸な運命をたどる猫の数も減ります。確実な効果があります」という説明になるほどと思わされた。どうぶつ基金の佐上理事長も「不妊手術は獣医師にとって〝割に合う〟仕事です。だからこそ継続可能で、結果的に多くの猫の命を救うんです」と同調する

「ハードルを下げる」「根本的な蛇口を締める」

 「ねこけん」の溝上代表は保護猫活動における「ハードルの高さ」を強く指摘する。個人で賄うには無理のある費用はもちろんだが、もっと大きな問題はノラ猫だけではなく、〝猫好き〟が飼育する猫の多頭飼育崩壊なのだという。猫が繁殖するのは屋外に限った話ではないということだ。もっと安く、もっと誰もが、猫に不妊手術を施せる環境を求めて、クラウドファンディングで「ねこけん動物病院」を設立した。殺処分ゼロのためには多頭飼育崩壊の可能性がある飼い猫にも積極的に不妊治療を進め、根本的な〝蛇口〟を締めて不幸な命の増加を抑えたいと話した。

同じゴールに向けて

NPO法人「ねりまねこ」の看板的な存在でもある「カッパちゃん」。見ての通り、個性的な白黒模様に多くのファンを持つ人気者。右耳はサクラの花びらのようにカットされ、亀山夫妻に温かく迎えられた〝さくらねこ〟だ。(NPO法人ねりまねこ提供)
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NPO法人「ねりまねこ」の看板的な存在でもある「カッパちゃん」。見ての通り、個性的な白黒模様に多くのファンを持つ人気者。右耳はサクラの花びらのようにカットされ、亀山夫妻に温かく迎えられた〝さくらねこ〟だ。(NPO法人ねりまねこ提供)フルスクリーンで見る 閉じる

 予定時間を大きくオーバーしたディスカッションで、パネリストから出た様々な意見。全員が全く同じはずもない。少しずつ考え方が違っていても、最終目的は〝猫の幸せ〟だという事は間違いない。
 同じ「目的地」に向け、互いの道を尊重しながら、角突き合わせることなく、少しだけ大らかな心で猫たちと接する事が出来れば必ず、猫も人も幸せなゴールが見えてくるに違いない。そう信じたい。(写真報道局 尾崎修二)

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