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真冬の海に広がる花畑 宮城県女川町の天然ホヤ

東日本大震災

真冬の海に広がる花畑 宮城県女川町の天然ホヤ

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海底に広がる天然ホヤの群生地。震災後、養殖ホヤ再開のためこの群生地からも種苗を採集したという=宮城県女川町の竹浦沖(三尾郁恵撮影) 海底に広がる天然ホヤの群生地。震災後、養殖ホヤ再開のためこの群生地からも種苗を採集したという=宮城県女川町の竹浦沖(三尾郁恵撮影)
増えすぎたウニにより磯焼けとなった海底。“海の砂漠化”とも呼ばれ、三陸各地で問題となっている=14日、宮城県女川町の竹浦沖(三尾郁恵撮影)
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増えすぎたウニにより磯焼けとなった海底。“海の砂漠化”とも呼ばれ、三陸各地で問題となっている=14日、宮城県女川町の竹浦沖(三尾郁恵撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 東日本大震災からまもなく8年を迎える宮城県女川町。沖合の海底にはごつごつとした天然ホヤの群生地が広がっている。ストロボの光をあてると、ホヤの群生地が赤い花畑のように鮮やかに浮かび上がった。
 海に潜ると、岩肌に白い部分が目立つことに気づく。ウニの増加による磯焼けだ。海藻が減り、貝や魚が獲れなくなる“海の砂漠化”とも呼ばれる現象だ。津波による海中の環境変化で海藻が増加、それを捕食するウニが急激に繁殖。ウニは海藻を食べ尽くしホヤも襲っていた。女川町でダイビングショップを営む高橋正祥さんは「震災後、数年間は岩肌に隙間なくびっしりとホヤが生えていたけど、最近はウニが増えすぎてしまった影響でホヤは減っています」と話していた。
 一方、津波による壊滅的な被害を受けた三陸名産の養殖ホヤも課題を抱える。震災後は天然モノから種苗を採取し養殖再開にこぎ着けたものの、販路で試行錯誤が続く。
 震災前、宮城県では生産量の約7割を韓国に輸出していたが、東京電力福島第1原発事故後の平成25年に韓国が輸入禁止の措置をとり今もそのままだ。廃棄処分されるほど供給過剰に陥った現状を打開しようと、県内では官民一体の取り組みが続く。
 震災前に宮城県塩釜市で水産加工会社を営んでいた佐藤文行さんは、ホヤのさらなる流通を目指して2年前に同市にホヤ料理専門店「ほやほや屋」を開店。年間を通じて肉厚なホヤを楽しめるようにと、旬の梅雨時に水揚げしたものを新鮮なまま冷凍し、さまざまな食べ方を提案している。「おすすめは唐揚げ。生は苦手だけど、揚げれば好きという人もいます」と佐藤さん。ホヤをより日本人になじみのある食材にしたいと奮闘は続く。(写真報道局 三尾郁恵)

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