紀元前製作のすずりか 九州北部で出土の石片
更新 sty1902190014国学院大の柳田康雄客員教授(考古学)は19日、福岡、佐賀両県にある弥生時代の遺跡から、同時代中期の紀元前1世紀ごろに作られたすずりの一部とみられる石片3点が出土していたとの研究成果を発表した。中国で見つかっている同時期のすずりと、よく似た特徴があったという。柳田氏は「国内で紀元前からすずりが製作され文字も使われていた可能性を示す、最古級の史料」としている。
柳田氏によると、石片は2001年度から05年度にかけて、福岡県糸島市の潤地頭給遺跡で出土した1点と、佐賀県唐津市の中原遺跡で発掘された2点。それぞれの大きさは長さ約4~19センチ、幅約4~7センチ、厚さ1センチ未満。破片表面のなめらかな形状が、紀元前1世紀ごろの中国のすずりに似ているという。