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【白洲信哉 旅と美】神遊びの臨場感と歴史の力(伊勢大神楽)

伝統・文化

【白洲信哉 旅と美】神遊びの臨場感と歴史の力(伊勢大神楽)

更新 sty1902120012
総舞の最後を締めくくる「魁曲(らんぎょく)」。振り袖姿の獅子が日傘を手に花魁(おいらん)道中を行う =昨年12月24日、三重県桑名市の増田神社(PENTAX K‐1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F5.6 1/250sec ISO 200) 総舞の最後を締めくくる「魁曲(らんぎょく)」。振り袖姿の獅子が日傘を手に花魁(おいらん)道中を行う =昨年12月24日、三重県桑名市の増田神社(PENTAX K‐1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F5.6 1/250sec ISO 200)
大神楽は代神楽であり、人々に代わって生活に欠かせない竈祓いを主眼とする舞 (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F5.6 1/125sec ISO200)
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大神楽は代神楽であり、人々に代わって生活に欠かせない竈祓いを主眼とする舞 (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F5.6 1/125sec ISO200)フルスクリーンで見る 閉じる

 中世から「十楽の津」と呼ばれ、東海道五十三次42番目、唯一の船路の宿場として大いに栄えた自由都市、三重県桑名。伊勢神宮参拝の玄関口「伊勢国一の鳥居」があり、古来、神宮との関係が深い。

神来舞と書いてシグマルといい、一説には神がのりうつって狂い舞うという芸だという (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F5.6 1/125sec ISO400)
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神来舞と書いてシグマルといい、一説には神がのりうつって狂い舞うという芸だという (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F5.6 1/125sec ISO400)フルスクリーンで見る 閉じる

 伊勢大神楽とは、お伊勢参りのかなわぬ遠隔地の方々のため、獅子舞をしながら、かつて伊勢神宮の、現在は伊勢大神楽講社の神札を配布する人々が行う芸能の総称である。今でも関西地方を中心に、竈(かまど)祓(ばら)いの獅子舞と放下芸(曲芸)の2本立てで、年中各地の神社境内などにおいて総舞と呼ばれる芸能を披露している。中でも毎年12月24日には、本拠地である桑名の増田神社にて、講社全5社中が集まり奉納されている。

放下の曲芸と獅子舞とを巧みにミックスしてユーモラスに仕組んだ人気の一曲 (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F5.6 1/125sec ISO800)
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放下の曲芸と獅子舞とを巧みにミックスしてユーモラスに仕組んだ人気の一曲 (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F5.6 1/125sec ISO800)フルスクリーンで見る 閉じる

 僕がいつも感じるのは、劇場の娯楽本位と違って、野外の神事には神遊びの臨場感と、地の持っている歴史の力満載である。境内の町名も、松平定綱が名付けたとされる「太夫」であり、都市計画の基礎は、徳川四天王の一人、本多忠勝が手がけ、幕末は「朝敵」「賊軍」とされ、節を曲げず義を貫いた反骨の歴史など、桑名の藩風とか藩是の意識が文化の底辺にある。こうした藩意識と固有の伝統芸能が、地域主権の大きな柱になっていくべきだと僕は思う。

■360°パノラマで見る「伊勢大神楽」

白洲信哉(しらす・しんや) 白洲信哉(しらす・しんや)  文筆家。昭和40年生まれ、東京都出身。日本文化の普及に努め、展覧会など文化イベントの制作にも携わる。最新刊「旅する舌ごころ」(発行・誠文堂新光社)発売中。 

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