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【はたらくいきもの】愛らしく芸達者 観光客の人気者 ウエートレスモンキー(栃木・宇都宮市)

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【はたらくいきもの】愛らしく芸達者 観光客の人気者 ウエートレスモンキー(栃木・宇都宮市)

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食事客にビールを運ぶニホンザルの「福ちゃん」=11月8日、宇都宮市の居酒屋「かやぶき」 食事客にビールを運ぶニホンザルの「福ちゃん」=11月8日、宇都宮市の居酒屋「かやぶき」
トルコ人の観光客におしぼりを手渡す「福ちゃん」=宇都宮市の居酒屋「かやぶき」(渡辺恭晃撮影)【キヤノン EOS-1D X:EF16-35mm F2.8L USM】 
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トルコ人の観光客におしぼりを手渡す「福ちゃん」=宇都宮市の居酒屋「かやぶき」(渡辺恭晃撮影)【キヤノン EOS-1D X:EF16-35mm F2.8L USM】 フルスクリーンで見る 閉じる

 「福ちゃん、おしぼり出してー」

 夜のとばりが下りるころ、酔客でにぎわう居酒屋に店主の声が響いた。待ってましたとばかりに現れたのは雌のニホンザル「福ちゃん」。毛むくじゃらの手で、おしぼりを渡されたお客さんは大喜び。“ウエートレスモンキー”のおもてなしは、海外メディアにも取り上げられ、福ちゃん目当てに訪日する外国人もいるという人気ぶりだ。(写真報道局 渡辺恭晃)

 福ちゃん(16)が働くのは、宇都宮市の居酒屋「かやぶき」。

 かやぶきに初めてニホンザルがやってきたのは平成8年のこと。サルが大好きという店主の大塚薫さん(72)が雄の「やっちゃん」を譲り受けたのがきっかけだった。

食事客にビールを運ぶニホンザルの「福ちゃん」 =宇都宮市の居酒屋「かやぶき」(渡辺恭晃撮影)
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食事客にビールを運ぶニホンザルの「福ちゃん」 =宇都宮市の居酒屋「かやぶき」(渡辺恭晃撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 当初はペットとして飼育していたが、大塚さんの接客をまねて食事客におしぼりを手渡したところ、大好評。以来“店員”として働くようになった。

 福ちゃんに後を譲ったやっちゃんは25年に死んだが、その後もサルは増え続け、現在は6頭が暮らす。

 おしぼりとビール瓶を出すサービスのほか、物まねや宙返りなどを披露する芸達者な働き者。「家族のような存在。芸を覚えてくれるとうれしくて涙が出る」と大塚さん。

 福ちゃん人気は海外にも飛び火する。アメリカやオーストラリアのテレビで放送され話題になり、外国人観光客が急増した。ひと月で200人を超えたこともあるという。

 アメリカから訪れたパンクバンド「ミー・ファースト・アンド・ザ・ギミー・ギミーズ」のボーカル、スパイク・スローソンさん(51)は「サルが好きでずっと訪れたいと思っていた。夢がかなって最高だ」と話していた。

道の駅「どまんなかたぬま」でスマートフォンを触る「トッチー」 =栃木県佐野市(渡辺恭晃撮影)
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道の駅「どまんなかたぬま」でスマートフォンを触る「トッチー」 =栃木県佐野市(渡辺恭晃撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 「日光さる軍団」が有名な栃木県は、サルによる県の魅力アップに力を入れる。県公認の“インスタザル”として活躍するのが「トッチー」だ。昨年12月、県の「インスタグラマー」に就任し、観光スポットなどの写真を「インスタグラム」にアップしている。スマートフォンを手にポーズを決め、観光客の記念撮影に応じたりしてファン獲得を狙い、フォロワーは千人を超える。

カメラを前にポーズを決めるニホンザルの「トッチー」 =宇都宮市の八幡山公園 (渡辺恭晃撮影)
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カメラを前にポーズを決めるニホンザルの「トッチー」 =宇都宮市の八幡山公園 (渡辺恭晃撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 民間の調査会社が発表した都道府県魅力度ランキングで、44位の栃木県。低迷する人気を巻き返すべく、多才なサルたちが“小さな観光大使”となって、栃木の魅力を発信し続けている。



 ■ニホンザル 青森県下北半島を北限に本州から九州まで広く分布する日本固有の霊長類。愛くるしさを持つ一方、人間に危害を加える恐れのある「特定動物」に指定されている。「かやぶき」では県動物愛護指導センターの許可を得て飼育し、食べ物に触れないよう調教している。

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