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【水にっぽん】母校は竜宮城、歓声ふたたび 高知・室戸市「むろと廃校水族館」

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【水にっぽん】母校は竜宮城、歓声ふたたび 高知・室戸市「むろと廃校水族館」

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25メートルプールを改装した「屋外大水槽」。悠々と泳いでいるのはアカウミガメだ =高知県室戸市の「むろと廃校水族館」(彦野公太朗撮影) 25メートルプールを改装した「屋外大水槽」。悠々と泳いでいるのはアカウミガメだ =高知県室戸市の「むろと廃校水族館」(彦野公太朗撮影)
「むろと廃校水族館」 =高知県室戸市(彦野公太朗撮影)
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「むろと廃校水族館」 =高知県室戸市(彦野公太朗撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 跳び箱の中を泳ぐ金魚、図書室の本棚で休憩するミンククジラの“骸骨”。校舎とつながる25メートルプールには、シュモクザメやアカウミガメが悠々と進む。

 学校のようにみえるが実は水族館…。こんな不思議な光景に出合えるのが高知県室戸市にある「むろと廃校水族館」だ。名前の通り、平成18年に廃校した「市立椎名小学校」をリニューアルして、今年4月にオープンした高知の新名所。

跳び箱の中にも水槽がつくられ、金魚が泳いでいる =高知県室戸市(彦野公太朗撮影)
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跳び箱の中にも水槽がつくられ、金魚が泳いでいる =高知県室戸市(彦野公太朗撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 廊下に並ぶ水槽にはマダコやゴンズイが暮らし、教室に陣取る円形水槽を遊泳するのは、アジやエイなど約70種の魚たち。近海に棲む身近な種類が主役で、ジンベイザメなどいわゆる“有名魚”は不在。それでも週末には約100台の駐車場がいっぱいになる人気ぶりだ。

 廃校水族館は室戸市の呼びかけで誕生した。地域の活性化を目指す市が活用案を募集。現地で活動していたNPO法人「日本ウミガメ協議会」が水族館を提案、実現にこぎ着けた。改装費に5億円をあて、館長には同協議会の若月元樹(もとき)さん(43)を任命した。

ミンククジラの骨格が置かれた図書室 =高知県室戸市(彦野公太朗撮影)
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ミンククジラの骨格が置かれた図書室 =高知県室戸市(彦野公太朗撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 何かとお金のかかる水族館だが経費は最小限に抑える。「魚を購入したことはないんです。自分たちで釣ったり、地元の漁師さんに分けてもらったり」と、苦労話を語る若月さん。取材中も魚を届けに漁師さんがやってきた。

消火用のバケツも水槽に =高知県室戸市(彦野公太朗撮影)
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消火用のバケツも水槽に =高知県室戸市(彦野公太朗撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 手洗い場を利用したタッチプールなど、工夫を凝らした展示や、学校跡という懐かしさで、ゴールデンウイークや夏休みは人があふれ、10月までに入館者は9万人を超えた。あまりの人の多さに、タレントが来たのかと近所の人が駆けつけた、というエピソードもある。

 「平成7年に卒業してから初めて校舎に入りました」と話すのは、二宮久美さん(36)。懐かしい校舎を隅々まで巡り、サメの泳ぐプールを見ながら「夏休みにあのプールで毎日泳ぎました。さびしかった学校に子供たちの声が戻ってうれしい」と笑顔を見せた。

かわいらしいロゴの掲げられたエントランス =高知県室戸市(彦野公太朗撮影)
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かわいらしいロゴの掲げられたエントランス =高知県室戸市(彦野公太朗撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 行政とNPO、そして地元の人たちが力を合わせ作り上げた“室戸の竜宮城”が町を元気にする起爆剤として、輝きを放っている。(写真報道局 彦野公太朗)



 【むろと廃校水族館】 高知県室戸市室戸岬町。入場料大人600円、子供300円で未就学児は無料。年中無休。

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