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前提なしで平和条約を プーチン大統領、領土問題棚上げか

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前提なしで平和条約を プーチン大統領、領土問題棚上げか

更新 sty1809120019
東方経済フォーラム全体会合で、ロシアのプーチン大統領(右)と握手する安倍晋三首相。左は中国の習近平国家主席=12日午後、ロシア・ウラジオストク(古厩正樹撮影)  東方経済フォーラム全体会合で、ロシアのプーチン大統領(右)と握手する安倍晋三首相。左は中国の習近平国家主席=12日午後、ロシア・ウラジオストク(古厩正樹撮影) 

 ロシアのプーチン大統領は12日、極東のウラジオストクで開かれている「東方経済フォーラム」全体会合で、安倍晋三首相に対し、領土問題などの「前提条件」を抜きにした、年内の日露平和条約の締結を求めた。北方領土問題の解決を棚上げにする姿勢を鮮明にした形だ。日本政府は「北方四島の帰属問題を解決して平和条約を結ぶ」との立場をとっており、ロシアとの交渉が不透明感を増すことになりそうだ。

 プーチン氏は中国の習近平国家主席らも出席した同フォーラム全体会合の討議で発言。安倍氏が条約締結を強く迫ったことに反発し、異例の発言となった可能性がある。プーチン氏は「今、この案を思い付いた」と説明したが、「冗談で言ったのではない」とも訴えた。

日米にくさび 経済低迷のロシア、日本の投資狙う

 プーチン氏は安倍晋三首相に呼びかけた「年内の平和条約締結」について、「条約には両国が(領土)問題の解決に努力することを盛り込める」などと説明している。北方領土問題を棚上げにした、中間的性格の条約を念頭に置いている可能性が高い。ロシア経済の低迷が続き、米国の対露制裁圧力も強まる中で、日本を揺さぶり、日米間にくさびを打ち込む思惑がありそうだ。

東方経済フォーラム全体会合で演説する安倍晋三首相(左)=12日午後、ロシア・ウラジオストク(古厩正樹撮影)
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東方経済フォーラム全体会合で演説する安倍晋三首相(左)=12日午後、ロシア・ウラジオストク(古厩正樹撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 一般に平和条約は国境線の画定を伴うものであり、「前提条件なしで平和条約」の真意は必ずしも判然としない。
 プーチン氏は「領土問題を解決するのに快適な環境をつくらねばならない」と述べており、何らかの日露条約が「環境づくり」に資すると考えているようだ。
 領土問題についてプーチン氏は「道義的・政治的性格のもので、両国民にとって大変敏感な問題だ。慎重に取り組まなくてはならない」と述べた。「条約締結」に言及した背景には、経済低迷から脱却する道筋を描けず、日本との「経済協力」も期待したように進んでいない事情がある。

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