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【KANSAI万華鏡】20年“時刻む”シルエット 明石海峡大橋 

遺跡・建造物

【KANSAI万華鏡】20年“時刻む”シルエット 明石海峡大橋 

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開通20年を記念して虹色にライトアップされた明石海峡大橋。漆黒の海が鮮やかに彩られた(沢野貴信撮影) 開通20年を記念して虹色にライトアップされた明石海峡大橋。漆黒の海が鮮やかに彩られた(沢野貴信撮影)

 青く輝く瀬戸内海を横切る真っすぐな道路。高度1800メートルの上空から開業20年を迎えた「明石海峡大橋」を見た。

 水深約110メートルの明石海峡は、交通の要衝であり、豊かな漁場。1日1400隻を超える船が行き交い、航空機の飛行ルートに設定されている。9ノットともいわれる速い潮流は魚の身を引き締め、明石鯛は日本一といわれる人気ぶり。

高さ1800メートルの上空から主塔にレンズを向けると、シルエットが道路に重なった。手前は神戸空港を離陸した旅客機(本社ヘリから、沢野貴信撮影)
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高さ1800メートルの上空から主塔にレンズを向けると、シルエットが道路に重なった。手前は神戸空港を離陸した旅客機(本社ヘリから、沢野貴信撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 明石海峡大橋は、昭和63年に着工し、平成10年に開業、日本の土木技術の粋を集めた巨大プロジェクトだ。

 総工費約5000億円、延べ210万人の技術者を投入。神戸と淡路島を結ぶ全長3911メートルの吊(つ)り橋は、20年間、世界最長の座を守り続けてきた。

 橋を支える主塔の高さは海面から約300メートルあり、日本一の超高層ビル「あべのハルカス」とほぼ同じ。

 約10年にわたる工事期間中にも大きな事故はなかったが、平成7年の阪神淡路大震災では、地盤が動き全長が1メートル伸びた。

 重ねた時を表現しようと、主塔の影を“針”に見立てて巨大な日時計をイメージ。海を文字盤に太陽の動きを調べ、道路に針が重なる時刻に狙いを定めた。

 約1800メートルの上空は、気温マイナス5度、窓を開けると、カメラを持つ手がかじかむ。

 西に伸びる影が、少しずつ北へと向きを変えて、道路に近づいていく。巨大な針がゆっくりと時を刻んでいるようだ。

 午後1時15分、太陽を背に受けたX型のトラス構造を持つ主塔のシルエットが道路に浮かんだ。

 20歳のお祝いだろうか、神戸空港を飛び立った旅客機が花を添える。潮風と潮流に耐えて、200年の使用を目指すという明石海峡大橋。その歴史は始まったばかりだ。(写真報道局 沢野貴信)

 【明石海峡大橋】神戸市垂水区と淡路市岩屋をつなぐ全長3911メートルの吊り橋。正式には、「3径間2ヒンジ補剛トラス吊橋」という。吊り橋の命であるメインケーブルは片側1本につき3万6830本のワイヤを束ねあわせ、1本1本をつないだ長さは約30万キロ(地球7周半)におよぶ。

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