中国、工事強行 ケニア国立公園に鉄道建設 自然保護団体「政府は中国の言いなり、法律を破っている」
更新 sty1804030014 ケニアの首都ナイロビで2月下旬、中国の国営企業が国立公園を縦断する鉄道の建設を始めた。野生動物への悪影響が懸念され、裁判所は工事差し止めを命じていたが、中国と親密なケニア政府が許可し強行。自然保護団体は「政府は中国の言いなりで、堂々と法律を破っている」と非難している。
緑のサバンナ一帯に、不釣り合いなクレーン車やショベルカーが数十台並んでいる。草を食べる動物たちの近くで地面を掘削し、騒音が響き渡った。首都中心部から車で約10分のナイロビ国立公園。広さ約117平方キロの広大な敷地に、ライオンやキリンなど100種類ほどの哺乳類が生息し、多くの外国人旅行者が訪れる。
建設計画によると、高さ約8~40メートルの柱を100本以上建てて高架鉄道を通し、国立公園の中央部を約6キロにわたって貫く。計画は数年前に浮上し、自然保護団体が中止を求め嘆願書を提出。ケニアの裁判所は昨年、工事中止を命じたが、発注したケニア国鉄の幹部は、地元テレビの取材に「市街地だと(立ち退き料など)費用がかかるため、国立公園に造ることに決まった」と明かした。(共同)