湖面に氷、海自の調査難航 米戦闘機投棄タンク、青森
更新 sty1802220008海上自衛隊は22日午後、青森県東北町の小川原湖で、米軍三沢基地(同県三沢市)のF16戦闘機が投棄した燃料タンクの油や破片の調査を続けた。見つかれば回収する方針だが、湖面を覆う氷の下で拡散している可能性があり、難航している。
調査は青森県の要請を受けて派遣された海自大湊地方隊(同県むつ市)の約30人が実施。タンクが落下したとみられる地点の周辺は部分的に氷が張っており、隊員はゴムボートを慎重に動かしながら氷を砕き、油が浮いていないか調べた。
地元漁師らはタンクが投棄された20日、油や金属片が湖面に浮かんでいるのを発見。海自は21日に調査を開始した。
シジミ漁大打撃
小川原湖漁業協同組合が大打撃を受けている。シジミやワカサギなどの漁が最盛期にもかかわらず、湖に燃料油が流出し21日から全面禁漁に追い込まれた。漁師は「早く油やタンクを回収してほしい」と悲鳴を上げている。
小川原湖のシジミ漁獲量は年間1200トン程度で、宍道湖(島根県)、十三湖(青森県)に次ぐ全国3位。漁協の1日当たりの収入は約300万円で、タンクが落ちた20日は約100隻の漁船が湖に出ていたという。
小川原湖のシジミは他産地と比べて身が大きいとされ、農林水産省は昨年12月、産地保護のため地理的表示(GI)に登録した。