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〝幻の橋〟今年で見納めか タウシュベツ橋、崩落進む

遺跡・建造物

〝幻の橋〟今年で見納めか タウシュベツ橋、崩落進む

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旧国鉄上士幌線のタウシュベツ川橋梁=北海道・上士幌町(杉浦美香撮影) 旧国鉄上士幌線のタウシュベツ川橋梁=北海道・上士幌町(杉浦美香撮影)
一部崩落が確認される旧国鉄上士幌線のタウシュベツ川橋梁=北海道・上士幌町(杉浦美香撮影)
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一部崩落が確認される旧国鉄上士幌線のタウシュベツ川橋梁=北海道・上士幌町(杉浦美香撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 北海道・上士幌町の旧国鉄士幌線が廃線になって今年で30年。水没することから「幻の橋」で知られるタウシュベツ橋の崩落が進んでいる。地元関係者らは、「今年で見納めではないか」と懸念している。
 士幌線は主に石炭を輸送するため、帯広から十勝三股の78.3キロを結んでいたが、エネルギーの石油への転換とそれに伴う人口減少から1987(同62)年に完全廃止となった。
 旧士幌線は、大雪山国立公園内を通っていることから、形の美しいアーチ橋がいくつもかかっている。中でも、水位によって姿を現す「幻の橋」として人気なのがタウシュベツ川にかかるタウシュベツ川橋梁(通称メガネ橋)だ。11のアーチは古代ローマ時代の水道橋を思わせる美しい造り。しかし、1955(同30)年に糠平ダムの建設に伴い士幌線は掛け替えられ、人工の糠平湖に沈んでしまうことになった。現在は電源開発(東京)が所有している。

旧国鉄上士幌線のタウシュベツ川橋梁=北海道・上士幌町(杉浦美香撮影)
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 6月頃から川の水位が上がり、10月には完全に沈んでしまう。冬には水面が凍ってしまい、氷面が下がった時に柱を削り、徐々に崩壊が進んでいったという。
 11あるアーチのうち、大きな崩壊の原因となったのは2003(平成15)年の十勝沖地震。今年4月には新たに別の部分が大きく崩れたことがわかった。
 タウシュベツ橋梁はJRのフルムーンキャンペーンのポスターの撮影地で選ばれたことから全国的に知られるようになった。しかし、橋に行くためには狭い林道を約4キロ通っていかなければならないが、事故などを懸念して林道は閉鎖されてしまった。たどりつくためには鍵を森林管理事務所に借りなければならない。夏はヒグマが出没することからツアーでの見学が推奨される。

旧国鉄上士幌線のタウシュベツ川橋梁=北海道・上士幌町(杉浦美香撮影)
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 記者はユースホステルのツアーに参加して取材にあたった。林道には大きなヒグマのふんもある。「こんな狭い林道でクマに出合ったら」と考えると寒気がした。
 全国から多くの観光客がツアーで見学に訪れている。土日はツアーが満員のことも多い。富山市からこの橋を見るために訪れたという会社員(37)は「スケールが違う。崩れる前に見られてよかった」と話していた。(杉浦美香)

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