産経フォト

【日本遊行-美の逍遥】人々と文化の奥行きに触れる 井浦新

伝統・文化

【日本遊行-美の逍遥】人々と文化の奥行きに触れる 井浦新

更新 sty1701140001
「暁富士」。空気が張り詰めた、夜明けの富士山。宝永火口がくっきり見える(RICOH GXR P10 28-300ミリ、F5.7 1/150sec ISO200) 「暁富士」。空気が張り詰めた、夜明けの富士山。宝永火口がくっきり見える(RICOH GXR P10 28-300ミリ、F5.7 1/150sec ISO200)
臥龍池(がりょうち)にかかる臥龍廊(がりょうろう)。水面に映る月、秋の紅葉はいつにも増して、高台寺の魅力を伝えてくれる(PENTAX 645D、FA645 80-160ミリF4.5、F7.1 3.0sec ISO800)
画像を拡大する
臥龍池(がりょうち)にかかる臥龍廊(がりょうろう)。水面に映る月、秋の紅葉はいつにも増して、高台寺の魅力を伝えてくれる(PENTAX 645D、FA645 80-160ミリF4.5、F7.1 3.0sec ISO800)フルスクリーンで見る 閉じる

 「旅に行くのに、本は欠かせないんです」。俳優・クリエイターの井浦新さんは語る。

 井浦さんは、旅は仕事であってもプライベートであっても本を楽しむ。現在、NHKBSプレミアムでは、総延長13万キロのアジアハイウェイを旅し、アジアの国々を巡る現代史紀行ドキュメンタリー「井浦新 アジアハイウェイを行く」が放送されている。「文化や歴史、美術、日本のネーティブに関する本が好きで、その類の本ばかり読んできたんです。そして、自分が旅をするようになって、今まで本を読んできたことや、本から得た知識を活かせられるようになりました。あらためて、本を読んでいてよかったなと思うんです」と語る。

鞍馬の火祭は、燃えさかる大松明を男衆が2、3人がかりで担いで練り歩く=京都市左京区(PENTAX 645D、FA645 80-160ミリF4.5、F4.5 1/40sec ISO1000)
画像を拡大する
鞍馬の火祭は、燃えさかる大松明を男衆が2、3人がかりで担いで練り歩く=京都市左京区(PENTAX 645D、FA645 80-160ミリF4.5、F4.5 1/40sec ISO1000)フルスクリーンで見る 閉じる

 そして旅に出る前には、本を熟読してイメージを膨らませてから出発する。いつも旅先で必要な本をおもわず何冊もバッグに入れてしまうそう。

 美術、旅をこよなく愛する井浦新さんが写真を撮り、文章をつづった単行本「日本遊行 美の逍遥」(発売・日本工業新聞社)。

「日本遊行」という書名は、一遍上人(いっぺんしょうにん)が各地に念仏を広めるために旅した「遊行(ゆうこう)」という言葉に出会った所から来るタイトル。漢字で書くと、「遊」「行」と楽しそうに書かれるが、一遍上人の厳しい命がけの修行の旅に思いを巡らせてのもの。

 本当に巡りたいと思った日本各地の「寺社」「祭」「工芸」「風景」が、井浦さんだからこそ踏み込めた貴重な写真と文章で紹介されている。すべての写真が、その土地に密着し、人々とのふれあいを大事に撮影された。

 日本各地の美しさ、文化の奥行きに触れたいと思える、旅に出掛けるきっかけに最適な一冊といえる。(写真:俳優・クリエイター 井浦新/SANKEI EXPRESS)

金峯山寺(きんぷせんじ)にある仁王門の仁王像(世界遺産登録10周年記念国宝仁王門修理勧進)=奈良県吉野町(RICOH GXR A12 28ミリ、F2.5 1/125sec ISO200)
画像を拡大する
金峯山寺(きんぷせんじ)にある仁王門の仁王像(世界遺産登録10周年記念国宝仁王門修理勧進)=奈良県吉野町(RICOH GXR A12 28ミリ、F2.5 1/125sec ISO200)フルスクリーンで見る 閉じる
金灯籠を頭に掲げて踊る女性たち=熊本県山鹿市(PENTAX K-5Ⅱ、smc PENTAX-DA★16-50mm F2.8ED AL、F3.2 1/30sec ISO1600)
画像を拡大する
金灯籠を頭に掲げて踊る女性たち=熊本県山鹿市(PENTAX K-5Ⅱ、smc PENTAX-DA★16-50mm F2.8ED AL、F3.2 1/30sec ISO1600)フルスクリーンで見る 閉じる

井浦新
画像を拡大する

 ■井浦新(いうら・あらた) 1974年、東京都生まれ。代表作に第65回カンヌ国際映画祭招待作品「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」(若松孝二監督)など。ヤン・ヨンヒ監督の「かぞくのくに」では第55回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。NHK「日曜美術館」の司会を担当し、2013年4月からは京都国立博物館の文化大使を務めるなど多彩な才能を発揮する。また、一般社団法人「匠文化機構」を立ち上げ、日本の伝統文化や職人の技を継承する活動も行う。

◇  ◇

井浦新「日本遊行 美の逍遥」(発行・アプレ、発売・日本工業新聞社、1800円)
画像を拡大する
井浦新「日本遊行 美の逍遥」(発行・アプレ、発売・日本工業新聞社、1800円)フルスクリーンで見る 閉じる

 【GUIDE】「日本遊行 美の逍遥」は、2013年10月から昨年3月まで計18回に及んだ産経新聞とEXでの連載を中心に、未掲載の写真も多数採用し、昨年6月に発行。(発行・アプレ、発売・日本工業新聞社、1800円)。好評につき、2012~13年に箱根彫刻の森美術館で開催された「空は暁、黄昏れ展」の図録を付け、本には井浦さんのサイン入りで、産経ネットショップでも発売中。

 ※「日本遊行 美の逍遥」で紹介されているコンテンツ
【寺社】賀茂御祖神社(下鴨神社)、高台寺、三井寺、金峯山寺
【祭り】祇園祭、鞍馬の火祭、知恩院・除夜の鐘、東大寺・お水取り
【工芸】染司よしおか(染)、中川木工芸(指物)、山中工芸(木地)、高岡鋳物(鋳物)、小鹿田焼(陶芸)
【風景】山鹿市、近江路、沖縄、加計呂麻島、富士山

【井浦新のアジアハイウェイ】
 ■其の四(イラン) アザーンが告げる日常のリズム
 を見る

 ■其の三(ジョージア) 苦難の歴史、文化つぐむ祈りの形
 を見る

 ■其の二(アゼルバイジャン)独裁の国父と人々の幸せ
 を見る

 ■其の一(トルコ)おおらかさとたくましさ を見る

スゴい!もっと見る

瞬間ランキングもっと見る

話題のランキング