福原愛、結婚会見 プロポーズは「鍵」 「頭が真っ白」に
更新 sty1609210008卓球女子でロンドン、リオデジャネイロ両五輪団体メダリストの福原愛(27)が21日、東京都内のホテルで結婚報告の記者会見を行った。
詰めかけた国内外の100人を超える報道陣も祝福ムードに包まれる中、午前11時から始まった会見場に花をあしらった白と水色の着物姿で登場した福原は司会者に促され、少し気恥ずかしそうにマイクを手にした福原ははにかみながら、喜びを語り始めた。
福原「入籍させていただいたことをご報告します。リオデジャネイロ五輪のあとにパラリンピックがあり、報告が遅れてしまいました。小さいころから日本中の方に支えていただき、今日を迎えられました。ありがとうございます」
《3歳で卓球を始め、練習中に泣き出してしまうことから“泣き虫愛ちゃん”の愛称で幼少期から愛される福原。15歳で迎えたアテネ五輪以降、4大会連続で五輪に出場し、08年ロンドン五輪では日本卓球史上初のメダル獲得に続いてリオデジャネイロ五輪でも銅メダルを獲得。そんな“元祖・天才卓球少女”の心を射止めたのが、台湾で“卓球王子”と呼ばれるるオ五輪・卓球台湾代表の江宏傑(27)だった》
福原「今日は(江)本人を呼んでおりますので、紹介させてください」
《福原があいさつを終えると、黒のスーツ姿の江が少し緊張した表情で登壇した。2人の交際のきっかけは、14年末に福原が発症した腰痛。長期欠場を余儀なくされた福原を江が熱心にサポートしたことで、交際がスタートした。質疑に移ると、そんななれそめや今後の選手生活への質問が報道陣から相次いだ》
--このタイミングでの結婚。4年後は?
福原「はい。リオ五輪が終わって、昨日でちょうど帰国をして1カ月になったんですけれども、その中で彼とたくさん話しまして、彼はどんな選択をしても必ず応援してくれるというふうに声をかけてくれていたので。
その中で私は女性アスリートとして、結婚をしてプレーを続けるという人はなかなかいなくて、私の中でどこかで小さい頃から、女性アスリートというのは、どこかで夢を諦めるではないんですけれども、家庭に入ることでそうした活動が狭まれるのかなということを思ってる部分があったので。
彼の言葉や行動を近くで感じていて、そういった環境とか支えてくれる人がいるのであれば、続けることも可能なんじゃないか。夢を諦めないで、このまま頑張っていくことも可能なんじゃないかっていうことを思うようになりました。
ですので、これから先、私が頑張っていくことで、次の後輩たちが、福原さんは結婚しても卓球をしてるっていうような、また新しい道を後輩のためにも切り開くことができたらいいなっていうのを思っていまして。どういうふうになるのかは分からないですけど、後輩たちの今後の、次の道に進むときの参考になるような選手になれたらいいなと思っています」
--日の丸を背負って国際大会の舞台に立ちたいという気持ちはあるのか?
福原「はい。一選手としてもちろん、そういった国際舞台で日本代表として試合に出れるっていうのは本当に誇りですし。家族とも相談しながら、頑張っていくことができたらいいなと思います」
--拠点、練習環境などはどうするのか?
福原「私は24年間、卓球を続けてきて、卓球という軸はもうできていると思うんですね、しっかりと。
ただ、結婚をしてまた新しい家庭、そして夫婦のあり方とかいろいろなものがあるんですけれども、そういった軸がまだ私たちの中ではまったくできていないので、まずはその軸の地盤をしっかり固めてからまた卓球という軸に戻りたいなと思っています。
2人で彼は今年からチェコの方でヨーロッパリーグに参戦してるんですけれども、そういったところに一緒に行ったりとか、はい、しながら、二人で相談しながらいろいろなことを決めていきたいと思っています」
--子育てなどしながら4年後を目指していく?
福原「そういったところは相談しながら。家族と相談しながら、彼の家族、私の家族と相談しながら、いろいろなことを決めていきたいなっていうふうに思っていますし。私にこういった相談できるっていう環境があることをすごく幸せに思っています」
--婚姻届を提出した場所は?
福原「9月の1日に東京都内の区役所の方で提出させていただきまして。日本人と台湾人なので、両方の場所で婚姻届をださなければいけないので、台湾の方でも出させていただきました」
--ワールドツアーや来年の世界選手権は?
福原「はい。先ほど申し上げた通り、私の中で家族、新しい家族っていう軸がまだ、本当に入籍してから20日前後しかたっていないので、そういった中でしっかりと軸を作ってから、また次のステージに進みたいなというふうに思っています」
--まだ未定ということか?
「そうですね。帰ってきてから1カ月でここまで気持ちを固めることができたっていうのは、私にとってとても大きなことですし、焦らずにじっくりと自分自身、そして彼と向き合いながら決めていきたいなというふうに思っています」
--中国でもすごく人気がある。中国のファンに向けてひと言
福原「はい。私たちは二人とも卓球選手ですし、中国はものすごく強くていつもたいへん勉強させていただいております。これからも夫婦ともども、しっかりとたくさんのことを勉強させていただきたいなっていうふうに思っていますので、よろしくお願いいたします」
江「私自身は中国でプレーする機会が少ないが、本当に中国の卓球は強い。これから中国でもプレーする機会があるよう願っているし、たくさんのことを勉強したいと願っている」
--左手の薬指に光る物が見えたが。(二人で指輪を披露)。その指輪はどこのブランドのもの?
江「この指輪は私が愛のためにデザインしたオリジナルのリングです。愛と私の生活スタイルの象徴です。とても意味のあるオリジナルの特注の指輪です。そしてこれは世界に一つだけの指輪です。私たちの愛情のシンボルです。彼女が気に入ってくれるとうれしいです」
--どういうデザイン? 象徴とは?
江「この指輪は卓球をモチーフをしたものです。小さな卓球のボールがあしらわれている。卓球は私たちに共通のもので結びつけたもので、私たちを結びつけたものです」(リクエストに応じて指輪を福原の指にはめて)
--今(指輪をはめてもらって)、どんな気持ちか
福原「横からみたらすごく分かりやすいんですけれども、指輪の両方にボールの、う~ん、すごく専門用語になってしまうんですけれども、弧線というか、ラリーをしている感じの、横のダイヤがあしらわれていて、その横にボールのようなものがついていて、すごく卓球をイメージした指輪なので、すごく、私も卓球が大好きですし、すごくうれしいです」
-指輪は台湾でサプライズで作ったものか?
江「この指輪は台湾で愛さんに渡しました。このデザインには自分の気持ちが込められていて、非常に意味があるものだと思っています」
--ケガをしていたときに親しくなった?
福原「そうですね。あのぉ、私が2000…(江に小声で確認して)2014年?3年くらいのときにケガを立て続けてにしてしまって、すごく落ち込んでいたときに、彼から連絡をいただきまして。
もう、一番初めに冒頭でお話しさせていただいた通り、どんな些細なことでも相談にのってくださる方なので。いろいろな言葉を話したり。彼自身も手術を経験していたり、ケガを経験しているので、そういった意味でいろいろな意味で言葉をかけてくれたり、支えてくださいました」
-- 江はどのように支えようと思った?
江「ケガというのは簡単なことじゃない。私も2回手術をした経験があるから、その気持ちはよく分かっています。アスリートにとってケガは本当に大きな痛苦だ。ダメージだ。だから愛さんにもっと強くなってほしい。もっともっと強くなっていいプレーをしてもらいたい、という気持ちで支えました」
--「私のどんなところが好きなのか?」と中国語で江に聞いてもらえるか?
福原「(小声で聞く)」
江「就是我-」
福原「直訳でも大丈夫ですか? 直訳すると、いつも私(福原)に感動をもらっている。いろいろな部分で感動をもらっているというのと。一緒にいると、とても温かい気持ちになれるという部分が」
--それを聞いて改めてどう思うか?
「はい。ほめていただいてうれしいです」
--中国のインターネットでよく話題になるのだが、福原は中国語、江は台湾語で話している中で面白い話は?
福原「はい、あのう、この間一緒にいるときに彼がオレンジジュースを飲みたいって言ったので、私がオレンジジュースの瓶とコップを持っていったんですね。そして彼についで渡そうと思ったら、中国語、彼の方の地方というか言葉で、『飲むのがすごく遅くなるからいい』って言ったんですね。で、私は『一気飲みしたいの?』って聞いたんですね。で、そしたら意味がまったく分かってなかったので、東北語で言ってくれて、それで私は意味を理解しました。意味分かりますか?」
《会見が進むにつれて、新郎が新婦をリードするように先に質問に答えるようになっていく。そして質問は、夫婦での混合ダブルスの実現可能性や将来の子供にまで広がった》
--2人で混合ダブルスに出る予定はあるのか
江「現時点では考えていない。でも、機会があったら2人でトライしてみたいと思う」
福原「今初めて彼の考えを聞いた。私もそう思います」
--これから子供が生まれたら、卓球選手になってほしいか
江「まだ考えたことがないが、もし生まれたら卓球でも他のスポーツでもなにをしようが、基本的に自然に任せる。やりたいことをやってほしい」
福原「私も同じです」
--確認だが、チェコに帯同するという話だが、家庭の軸を作る意味でも台湾で生活するのか。どんな計画があるのか
福原「今年から彼はチェコでプレーしているが、ドイツに練習拠点がある。あとは台湾、日本と色んな国に生活と練習の拠点ができると思います」
《会見終了予定の時間が迫り、司会者が次を最後の質問にするとアナウンス。多くの愛ちゃんファンが知りたいであろううってつけの質問が飛び出した》
--結婚決めたのはリオ五輪の前か後か。そしてプロポーズの言葉はなんだったのか
福原「せっかくなので機会なので彼に」
《照れ隠しなのか。福原選手は右隣に座る江選手に回答を促すように視線を送った》
江「結婚を決めたのは五輪の後です。プロポーズをしたのもです。鍵を彼女に渡しました。この家の主人になっていただきたいと。それが私のプロポーズでした」
--それを見て福原選手はどう思った
福原「びっくりしました」
--どんな返事を
福原「頭が真っ白であまり覚えていないんです。ごめんなさい」
《予定時間を10分以上オーバーして会見は終了。続くフォトセッションに2人は仲むつまじく寄り添って応じた。そろってかざした左手には結婚指輪が燦然(さんぜん)と輝いていた》