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街の歴史を1枚の地図に 空想都市を描く今和泉さん

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街の歴史を1枚の地図に 空想都市を描く今和泉さん

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 今和泉隆行さんが制作した空想都市「中村市」の中心部の地図(ホームページ「空想都市へ行こう!」より)  今和泉隆行さんが制作した空想都市「中村市」の中心部の地図(ホームページ「空想都市へ行こう!」より)

 地図の中央には大きな乗換駅。大通りを東にたどると役所があり、私鉄の駅を中心に古くからの市街地が広がる。何の変哲もない地図だが、一つだけ普通の地図とは異なる点がある。それは、ここに描かれた街が地球上のどこにも存在しないこと。東京都内に住む今和泉隆行さん(31)は、架空の都市をリアルに描く“空想地図作家”だ。

 インターネット上で公開されている空想都市「中村市」の地図にはコンビニのマークまで描き込まれていて、精密さに驚かされる。見どころを尋ねると「あらゆる場所に物語が詰まっています」と答えが返ってきた。

 今和泉隆行さんが制作した空想都市「中村市」の中心部を拡大した地図。通りの名前やコンビニのマークまで詳細に描かれている(ホームページ「空想都市へ行こう!」より)
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 今和泉隆行さんが制作した空想都市「中村市」の中心部を拡大した地図。通りの名前やコンビニのマークまで詳細に描かれている(ホームページ「空想都市へ行こう!」より)フルスクリーンで見る 閉じる

 市街地を流れる「平川」は、80年前に洪水を起こしたため、後に放水路が造られた。郊外のニュータウンには住民の反対で空き地になった地区がある-。こうした街の歴史や人々の生活を細かく想像し、1枚の紙に表現したのが空想地図なのだという。「たくさんの短編小説が重なり合っているようなものです」

 今和泉さんが空想地図を描き始めたのは7歳の時。地図やバスの路線図が好きで、自分でも作りたくなったという。何度も描き直しを経て、約10年がかりで「中村市」の原形が完成。その後も加筆や修正を続けている。

 現在はドラマの小道具として使われる架空の地図制作なども手掛け、地図を仕事にしている今和泉さん。地図作りが楽しくて仕方ない…と思いきや「単純作業が多くて意外と退屈」。作業が大きく進むのは、展示会などの目標がある時だという。「見てくれる人がいるから、ここまで来られた気がします」と話した。

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