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健常者超える記録が論争 義足ジャンパー、五輪に壁

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健常者超える記録が論争 義足ジャンパー、五輪に壁

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 2月、英国で行われた国際競技会の男子走り幅跳びで、健常者を抑えて優勝したマルクス・レーム(ゲッティ=共同)  2月、英国で行われた国際競技会の男子走り幅跳びで、健常者を抑えて優勝したマルクス・レーム(ゲッティ=共同)

 五輪とパラリンピックの垣根を越え、障害者が五輪で金メダルに輝く時代は来るのか。2012年ロンドン・パラリンピック陸上男子走り幅跳び覇者で「ブレード・ジャンパー」の異名を持つマルクス・レーム(27)=ドイツ=は2月、英国での国際競技会で健常者を抑えて優勝し「勝負の緊張感にわくわくした」と興奮を隠さなかった。だが踏み切りで使う右の義足が跳躍に有利に働いていないか論争が渦巻く。

 取材に応じるマルクス・レーム =2月、グラスゴー(共同)
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 取材に応じるマルクス・レーム =2月、グラスゴー(共同)フルスクリーンで見る 閉じる

 ドイツ陸連によると、助走スピードが他選手より遅くても踏み切った直後の空中速度が上回るデータがあるという。義肢装具士でもあるレームは「記録が伸びるたびに周囲の態度が変わった。義足の素材はこの3年変えておらず、努力の成果なのに…」と残念がる。2年前のドイツ選手権は優勝しながら「跳躍のメカニズムが違う」と欧州選手権代表から外れた。昨年は障害者の世界選手権で8メートル40の世界記録をマーク。これはロンドン五輪金メダルのグレッグ・ラザフォード(英国)が跳んだ8メートル31を上回る。

 同じく論争になった両脚が義足のオスカー・ピストリウス(南アフリカ)はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に訴えて参加を認められ、4年前のロンドン五輪で歴史の扉を開いた。だが、メダルを争うレベルではなかった。国際陸連は今回、リオデジャネイロ五輪の参加条件として選手個人に公平性の証明を義務付けた。レームは「科学的な証明には約30万ユーロ(約3700万円)はかかる」と苦笑いする。

 5歳で陸上を始め、14歳の時に水上競技のウエークボード事故で右脚の膝下を失った。「五輪は参考記録でメダルをもらえなくてもいい。障害者スポーツの価値を理解する機会にしてほしい」と五輪出場を願っている。(ロンドン共同)

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