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宇宙の重力波を初検出、米チームが確認 アインシュタインが100年前に予言

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宇宙の重力波を初検出、米チームが確認 アインシュタインが100年前に予言

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 11日、米ワシントンで開かれた記者会見で喜ぶ国際実験チーム「LIGO」の関係者(AP)  11日、米ワシントンで開かれた記者会見で喜ぶ国際実験チーム「LIGO」の関係者(AP)
 11日、イスラエルのヘブライ大が公開した重力波の存在を予言したアインシュタインのオリジナル原稿(ロイター)
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 11日、イスラエルのヘブライ大が公開した重力波の存在を予言したアインシュタインのオリジナル原稿(ロイター)フルスクリーンで見る 閉じる

 宇宙から届く「重力波」を世界で初めて検出したと米国の研究チームが11日(日本時間12日)、発表した。アインシュタインが100年前に存在を予言しながら未確認だった現象で、新たな天文学や物理学に道を開く歴史的な発見となった。今後の検証で正しさが揺るがなければ、ノーベル賞の受賞は確実だ。

 検出したのはカリフォルニア工科大とマサチューセッツ工科大などの共同研究チーム。米国の2カ所に設置した大型観測装置「LIGO」(ライゴ)の昨年9月以降のデータを解析。同月14日に重力波をキャッチしたことを確認した。

 チームは会見で「重力波を検出した。われわれはやった」と喜びを表した。

 互いを回り合う二つのブラックホール(中央上の点)によって生じる重力波の想像図(NASA提供)
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 互いを回り合う二つのブラックホール(中央上の点)によって生じる重力波の想像図(NASA提供)フルスクリーンで見る 閉じる

 重力波は重い天体同士が合体するなど激しく動いた際、その重力の影響で周囲の空間にゆがみが生じ、さざ波のように遠くまでゆがみが伝わっていく現象。アインシュタインが1916年、一般相対性理論でその存在を示したが、地球に届く空間のゆがみは極めて微弱なため検出が難しく、物理学上の大きな課題になっていた。

 米ワシントン州にあるLIGOチームの重力波望遠鏡。長さ4キロのパイプがL字形に設置されている(LIGO提供)
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 米ワシントン州にあるLIGOチームの重力波望遠鏡。長さ4キロのパイプがL字形に設置されている(LIGO提供)フルスクリーンで見る 閉じる

 チームは一辺の長さが4キロに及ぶL字形のLIGOで空間のゆがみを観測。太陽と比べ質量が29倍と36倍のブラックホール同士が13億年前に合体し、太陽質量の3倍に相当するエネルギーが重力波に変換されたのをとらえた。信頼度は99.999999%と非常に高い。研究は欧州チームも共同で行った。

 重力波の観測装置を望遠鏡として使えば、光さえのみ込んでしまうブラックホールなど、光や電波では見えない天体を直接とらえることができる。また、重力波は減衰せずに遠くまで伝わる性質があるため、はるか遠くを探ることで宇宙誕生の謎に迫れると期待されており、宇宙の研究に飛躍的な進展をもたらす。

 米ルイジアナ州にある重力波望遠鏡の装置を調整するLIGOチームの研究者ら(LIGO提供) 
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 米ルイジアナ州にある重力波望遠鏡の装置を調整するLIGOチームの研究者ら(LIGO提供) フルスクリーンで見る 閉じる

 重力波の検出は1990年代以降、日米欧が一番乗りを目指して激しく競ってきた。米国は装置の感度を従来の数倍に高める工事を行い、昨年9月から5カ月間、観測を再開したばかりだった。関係者によると、この期間中に重力波をとらえられる確率は10%と低かったという。

 日本は東大宇宙線研究所が昨年11月、岐阜県飛騨市神岡町に大型観測装置「かぐら」を建設したが、米国と同水準の高感度で観測を始めるのは早くても約1年後の予定で、一歩出遅れた形となった。

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