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【探訪】木々に抱かれ勉学に励む 秋田市 国際教養大学の中嶋記念図書館

遺跡・建造物

【探訪】木々に抱かれ勉学に励む 秋田市 国際教養大学の中嶋記念図書館

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天井のはりや柱などに特産の秋田杉をふんだんに使った館内は大きな木に包まれたような安らぎを覚える =秋田市の国際教養大学(川口良介撮影) 天井のはりや柱などに特産の秋田杉をふんだんに使った館内は大きな木に包まれたような安らぎを覚える =秋田市の国際教養大学(川口良介撮影)

 静かな図書館にパソコンのキーボードをたたく音と本をめくる音、そしてペン先がノートを走る音が響く。太陽光が木漏れ日のように差し込む館内には、木のぬくもりがあふれていた。

 平成16年、秋田市に開校した国際教養大学は約900人が国際教養学部で学ぶ単科大。学生には1年間の海外留学が義務付けられている。交換留学生も多く約3人に1人が留学生のキャンパスでは“公用語”の英語が飛び交う。「日本一勉強させる大学」を目指す知的なシンボルが、特産の秋田杉をふんだんに使った中嶋記念図書館だ。

キャンパス内は国際色豊か。“公用語”は英語だ =秋田市の国際教養大学(川口良介撮影)
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キャンパス内は国際色豊か。“公用語”は英語だ =秋田市の国際教養大学(川口良介撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 日本で唯一、学生の24時間365日利用が可能で、天井高12メートル、半径22メートルの半円形をした吹き抜けのホールが特徴。すり鉢状に書棚が並び、中心に立つと本に囲まれている感覚になる。正に「本のコロシアム」。勉強に集中できるよう勉強机は書棚の裏に設置した。木材の温かみで居心地の良さは抜群だ。

 1年次は全寮制、2年次以降もキャンパス内の寮やアパートに入る学生が多く、全学生の約9割が大学敷地内で暮らすため、利用のピークは午前2時。テスト前の夜は常に満員という。朝、出勤した職員が机に向かいながら寝てしまった学生を起こすのが日課というのは、ご愛きょうか。

 秋田市に住む、卒業生の大橋祐美さん(23)は「部活やサークル活動が終わる夜10時過ぎから学生が集まり始める。私も毎日のように利用していた」と話す。和歌山出身の2年生、木村優希さん(21)は「地元に帰って大学名を言うと図書館を連想する人が多い。あまりに有名で私の方がびっくり」と笑った。 (写真報道局 川口良介)

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