産経フォト

独自の死生観、陽気な祭礼に メキシコ「死者の日」

ワールド

独自の死生観、陽気な祭礼に メキシコ「死者の日」

更新 sty1511090012
「死者の日」にガイコツのメークを施して勢揃いする人たち。町がガイコツのメークやかぶり物をした人たちであふれる光景は圧巻だ =1日、メキシコ市(ロイター) 「死者の日」にガイコツのメークを施して勢揃いする人たち。町がガイコツのメークやかぶり物をした人たちであふれる光景は圧巻だ =1日、メキシコ市(ロイター)
町はガイコツの仮装をした人たちであふれる。なかなかリアリティーあるガイコツの仮面を付けた女性 =10月31日、メキシコ市(AP)
画像を拡大する
町はガイコツの仮装をした人たちであふれる。なかなかリアリティーあるガイコツの仮面を付けた女性 =10月31日、メキシコ市(AP)フルスクリーンで見る 閉じる

 ラテンアメリカ諸国では、ちょうどハロウィーンの時期に、日本のお盆とハロウィーンを一緒にしたような行事「死者の日」が盛大に行われる。家族や友人が集まり、故人に思いをはせながら楽しく語り合う。とくにメキシコでは、酒や食べ物を持ち寄って墓に集まり盛大な祭りが催され、華やかなパレードも行われる。メキシコで行われた死者の日の様子を写真で追ってみた。

さまざまなろうそくやマリーゴールドの花、ガイコツ人形などで飾り付けられた墓地。人々は墓地に集い故人に思いをはせながら楽しい一時を過ごす =1日、メキシコ市(AP)
画像を拡大する
さまざまなろうそくやマリーゴールドの花、ガイコツ人形などで飾り付けられた墓地。人々は墓地に集い故人に思いをはせながら楽しい一時を過ごす =1日、メキシコ市(AP)フルスクリーンで見る 閉じる

 ラテンアメリカ諸国で「死者の日」の最も盛んな国といえばメキシコ。数千年前から受け継がれる先住民の風習とスペイン侵略後のカトリック信仰が合体した独特な祭礼だ。メキシコでは10月31日から11月2日までの3日間、死者の魂が戻ってくるとされ盛大にお迎えをするのだ。生きていれば、いずれ訪れる死。メキシコ人にとっては死は「生の象徴」でもある。そんなメキシコ人特有の死生観を体現したのが死者の日だ。

メキシコで人気のガイコツの貴婦人人形「カトリーナ」を模して、ガイコツのフェースペイントを施した女性。女性350人が参加しての「カトニーナ」のコンテストも行われた =1日、メキシコ市(ロイター)
画像を拡大する
メキシコで人気のガイコツの貴婦人人形「カトリーナ」を模して、ガイコツのフェースペイントを施した女性。女性350人が参加しての「カトニーナ」のコンテストも行われた =1日、メキシコ市(ロイター)フルスクリーンで見る 閉じる

 10月半ばともなると、メキシコ中の家々や教会や墓地など町のさまざまな場所に祭壇が備えられ、ガイコツの人形やカラフルなろうそく、マリーゴールドの花などで飾り付けられる。

 この行事は、「死者にささげる先住民の祭礼行事」として2008年にユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録(公表は03年)された。一年の中で、最もメキシコらしさを感じる行事で、その独特な風景を体感しようと世界中から多くの観光客が訪れるという。

ガイコツとお供え物 亡き人を歓待

 カトリック教会では11月を「死者の月」としているが、とくに2日は、教会の典礼暦で亡くなったすべての信者のために祈る「死者の日」と定めている。今年も、ローマ法王フランシスコは1日にローマの墓地を訪問し、墓参りに訪れた市民とともにミサを行い、バチカンで祈りの集いを行った。

たくさんのマリーゴールドの花とろうそくで彩られた墓地は、夜なのにまぶしいくらいの明るさだ =1日(ロイター)
画像を拡大する
たくさんのマリーゴールドの花とろうそくで彩られた墓地は、夜なのにまぶしいくらいの明るさだ =1日(ロイター)フルスクリーンで見る 閉じる

 かたや陽気なラテンアメリカの国々では、「死者の日」の祝い方もさまざまだ。日本のお盆とはまったく様子が異なる。

 この日、メキシコの町はガイコツだらけになる。元来メキシコでは、先住民の死者を祭る儀式で、故人の頭蓋骨を祭壇に飾る習慣があり、その名残で死者の日にはさまざまな場所でガイコツを見かける。

 ガイコツのマスクやコスプレに始まり、ガイコツの人形やオブジェ、ガイコツ形のパンやチョコレートなどの食べ物まで登場する。そのため、別名「ガイコツ祭り」と呼ばれるほどだ。

死者の日には、さまざまな仮装をした人たちによってパレードも行われる =10月30日、メキシコ市(AP)
画像を拡大する
死者の日には、さまざまな仮装をした人たちによってパレードも行われる =10月30日、メキシコ市(AP)フルスクリーンで見る 閉じる

 死者のお墓に「オフレンダ」と呼ばれる派手な装飾を施した祭壇を作り、おもちゃやテキーラの瓶、メキシコ伝統のアトーレという飲み物やさまざまな食べ物など故人の好きだったものをお供えする。祭壇は故人の魂が訪れて、飲食をし、休憩する場所の意味があるという。お墓にもさまざまな装飾やイルミネーションが施される。故人の墓の前で酒を酌み交わしたり、食事をとったり、マリアッチ楽団を呼んで故人が好きだった歌をリクエストしたりする。故人の魂がこの世に戻っている間に、生きている家族や仲間と交流を楽しむという意味があるという。

 死者の冥福を祈りながらも、明るく陽気に楽しく過ごすのがラテンアメリカ流の死者の日の祝い方なのだろう。(SANKEI EXPRESS)

スゴい!もっと見る

瞬間ランキングもっと見る

話題のランキング