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出雲に集う神々 今年の神議は 島根「稲佐の浜」【動画あり】

自然・風景

出雲に集う神々 今年の神議は 島根「稲佐の浜」【動画あり】

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朝日に照らされる稲佐の浜の弁天島。以前は沖合に浮かぶ「島」だったが、環境の変化で砂浜が広がり、ほとんど地続きになっている =島根県出雲市(川口良介撮影) 朝日に照らされる稲佐の浜の弁天島。以前は沖合に浮かぶ「島」だったが、環境の変化で砂浜が広がり、ほとんど地続きになっている =島根県出雲市(川口良介撮影)キヤノン EOS R6:EF24-70mm F2.8L Ⅱ USM
観光客でにぎわう参道の神門通り。出雲大社には年間約600万人が訪れ、10月と11月に人出のピークを迎える =島根県出雲市(川口良介撮影)
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観光客でにぎわう参道の神門通り。出雲大社には年間約600万人が訪れ、10月と11月に人出のピークを迎える =島根県出雲市(川口良介撮影)キヤノン EOS R6:EF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USMフルスクリーンで見る 閉じる

 夜が明けて浜辺の弁天島の鳥居に朝日が当たる頃、漁船が港へ戻り、海鳥が新しい朝を告げる。

 稲佐の浜(島根県出雲市)は、出雲大社に祭られる大国主命(おおくにぬしのみこと)が天照大神(あまてらすおおみかみ)の使者と国譲りの話し合いをした場所とされている。

奉納山公園から臨む稲佐の浜と出雲市街地 =島根県出雲市(川口良介撮影)
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奉納山公園から臨む稲佐の浜と出雲市街地 =島根県出雲市(川口良介撮影)キヤノン EOS R6:EF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USMフルスクリーンで見る 閉じる

 この浜で毎年、旧暦10月10日の夜、全国から八百万(やおよろず)の神々を迎える「神迎神事(かみむかえしんじ)」が営まれる。暗闇にかがり火がたかれる浜で、神職が祝詞をあげ神々をサカキに宿らせる。そして「神迎の道」を進み、出雲大社へ向かう。

夕焼けに染まる稲佐の浜と弁天島 =島根県出雲市(川口良介撮影)
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夕焼けに染まる稲佐の浜と弁天島 =島根県出雲市(川口良介撮影)キヤノン EOS R6:EF24-70mm F2.8L Ⅱ USMフルスクリーンで見る 閉じる

 今年の神事は今月24日。新型コロナウイルスの影響で一般客の参列や見学はできないが、例年多くの人が浜を埋め尽くすという。

 神々は7日間滞在し、向こう1年間の縁結びや農事などを話し合う「神議(かみはかり)」を行うとされる。旧暦10月は神々が留守になるため神無月といわれるが、出雲地方では「神在月(かみありづき)」と呼ばれている。

朝日に照らされる稲佐の浜の弁天島。以前は沖合に浮かぶ「島」だったが、環境の変化で砂浜が広がり、ほとんど地続きになっている =島根県出雲市(川口良介撮影)
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朝日に照らされる稲佐の浜の弁天島。以前は沖合に浮かぶ「島」だったが、環境の変化で砂浜が広がり、ほとんど地続きになっている =島根県出雲市(川口良介撮影)キヤノン EOS 6D Mark Ⅱ:EF24-70mm F2.8 Ⅱ IS USMフルスクリーンで見る 閉じる

 散歩の途中、稲佐の浜を見下ろす山の上で一休みする小村(おむら)静子さん(92)は「神在月が終わるともう冬です。今年はコロナの影響で神事も変更されるみたいだけど、大丈夫かしら」と話した。

 神話の舞台が散歩コース。なんだかぜいたくですね、と話しかけると「普段は意識しないけれども、言われてみればそうね」と笑った。

 今年、「神議」の議題に「疫病の退散」は上るのだろうか。出雲大社を参拝する多くの人を見て、そう思わずにはいられなかった。(写真報道局 川口良介)

企画制作:産経デジタル