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「一生懸命やってきてよかった」 照ノ富士、復活制覇へ大きな一歩 

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「一生懸命やってきてよかった」 照ノ富士、復活制覇へ大きな一歩 

更新 jnl2007310004
朝乃山(左)を寄り切りで破る照ノ富士=両国国技館(佐藤徳昭撮影)  朝乃山(左)を寄り切りで破る照ノ富士=両国国技館(佐藤徳昭撮影) キヤノン EOS-1D X Mark Ⅱ:EF300mm F2.8L IS Ⅱ USM
朝乃山(右)を寄り切りで破る照ノ富士=両国国技館(撮影・荒木孝雄)
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朝乃山(右)を寄り切りで破る照ノ富士=両国国技館(撮影・荒木孝雄)キヤノン EOS-1D X Mark Ⅱ:EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×フルスクリーンで見る 閉じる

 大相撲7月場所13日目は31日、両国国技館で行われ、元大関の平幕照ノ富士が新大関朝乃山を寄り切りで破った。
 優勝の行方を大きく左右する大一番。「新旧大関決戦」は“先輩”の力と技術が上回った。
 当たってすぐに右四つになった。照ノ富士は先に上手を許したが、落ち着いていた。前に圧力をかけると、焦った朝乃山が強引に右からすくい投げ。この際に朝乃山の上手が切れた。照ノ富士は右でかいなを返し、左上手も奪取。相手の下手投げを余裕をもってこらえ、寄り切った。
 朝乃山の代名詞とされる右四つだが、照ノ富士もこの形になれば力を発揮する。28歳の元大関は武器を貪欲に磨き上げてきた。

朝乃山(左)を寄り切りで破った照ノ富士=両国国技館(佐藤徳昭撮影) 
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朝乃山(左)を寄り切りで破った照ノ富士=両国国技館(佐藤徳昭撮影) キヤノン EOS-1D X Mark Ⅱ:EF300mm F2.8L IS Ⅱ USMフルスクリーンで見る 閉じる

 今年3月の春場所前には、出稽古先で朝乃山に遭遇。まだ十両だった照ノ富士は当時関脇の朝乃山を稽古相手に指名し、何番も相撲を取った。「右四つに組んで力を出してくれる人はあまりいない。自分の稽古相手になると思って」。時に偉そうに見えるほどのがむしゃらな向上心が、この人の強さを支えている。
 この日、土俵下で審判長を務めた師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「自分の相撲が取れている」と弟子をたたえ、優勝については「可能性が出てきた」と控えめに言った。14日目に正代に勝ち、朝乃山が照強に敗れれば、その時点で2度目の優勝が決まる。
 1敗を守り、息荒く引き揚げたインタビュールームで、照ノ富士は「一生懸命やってきてよかった」と語った。ただ余韻に浸ったのはそれぐらい。あとは「2日あるので」と繰り返した。焦がれた5年ぶりの賜杯が目の前に迫っている。(浜田慎太郎)

昨年春場所に序二段で復帰の苦労人

 かつて両膝を手術したことを感じさせないほどの馬力。そして、右の相四つでの取り口に一日の長があった。

朝乃山(右)を寄り切りで破った照ノ富士=両国国技館(撮影・荒木孝雄)
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朝乃山(右)を寄り切りで破った照ノ富士=両国国技館(撮影・荒木孝雄)キヤノン EOS-1D X Mark Ⅱ:EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×フルスクリーンで見る 閉じる

 4場所連続全休から昨年春場所に序二段で復帰。朝乃山が初優勝した同夏場所はまだ三段目だった。今場所を迎える際も相手は脚光を浴びていたが、再入幕の立場で主役の座を奪った。八角理事長(元横綱北勝海)は「俺が大関だという感じだろう。強かった」と、かつて看板を背負った苦労人の意地を感じ取った。

朝乃山を寄り切りで破り、懸賞金を受けとる照ノ富士=両国国技館(佐藤徳昭撮影)
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朝乃山を寄り切りで破り、懸賞金を受けとる照ノ富士=両国国技館(佐藤徳昭撮影)キヤノン EOS-1D X Mark Ⅱ:EF300mm F2.8L IS Ⅱ USMフルスクリーンで見る 閉じる

 残り2日で単独トップに立った。大関経験者が関脇以下で優勝を果たせば、昭和以降では1976年秋場所の魁傑以来、2人目。初場所の徳勝龍以来の幕尻制覇も懸かる。「やってきたことを信じてやるだけ。一生懸命やって終わらせたい」。平常心を心掛け、歓喜の時を目指す。

企画制作:産経デジタル