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猫も人も幸せな温泉地へ 米沢・小野川温泉の「幸せ猫プロジェクト」

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猫も人も幸せな温泉地へ 米沢・小野川温泉の「幸せ猫プロジェクト」

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亀屋万年閣の看板猫「ふく」ちゃん。玄関横のお気に入りの場所で居眠り?猫好きを吸い寄せる表情…これぞ本当の〝招き猫〟だ=山形県米沢市(尾崎修二撮影) 亀屋万年閣の看板猫「ふく」ちゃん。玄関横のお気に入りの場所で居眠り?猫好きを吸い寄せる表情…これぞ本当の〝招き猫〟だ=山形県米沢市(尾崎修二撮影)キヤノン EOS 5D MarkⅣ: EF17-40mm F4L USM

 およそ1200年の歴史を誇り、山形県米沢市の奥座敷として知られる小野川温泉。夏の川辺に蛍が舞い、冬には「かまくら村」で旅人を楽しませてくれる温泉街が近年、新しい取組みで注目を集めている。

小野川温泉の休憩所でひなたぼっこをしていた猫。体が温まり眠くなったのか、カメラの前で大あくび=山形県米沢市(尾崎修二撮影)
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小野川温泉の休憩所でひなたぼっこをしていた猫。体が温まり眠くなったのか、カメラの前で大あくび=山形県米沢市(尾崎修二撮影)キヤノン EOS 5D MarkⅣ: EF17-40mm F4L USMフルスクリーンで見る 閉じる

 数年前から目立ち始めたという野良猫を地域の問題として取り上げ、「人も猫も幸せな温泉地」を目指して、不幸な命を増やさないために不妊・去勢手術を行い、その猫たちが穏やかな生涯を全う出来るように見守る「TNR」を行っているのだ。
 「幸せ猫プロジェクト」と題したこの活動は、2017年2月22日、11軒の宿の女将会を中心に立ち上げられ、現在はいくつかの団体と連携して行われている。宿に募金箱を設置したり、寄付金つきのグッズや宿泊プランを展開するなど、その活動は積極的だ。

亀屋万年閣の看板猫「ふく」ちゃんが見つめる先に何が?若女将の佐藤梨絵さんも一緒になって視線を送る。「息のあった姉妹」といった様子だった=山形県米沢市(尾崎修二撮影)
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亀屋万年閣の看板猫「ふく」ちゃんが見つめる先に何が?若女将の佐藤梨絵さんも一緒になって視線を送る。「息のあった姉妹」といった様子だった=山形県米沢市(尾崎修二撮影)キヤノン EOS 5D MarkⅣ: EF17-40mm F4L USMフルスクリーンで見る 閉じる

 「亀屋万年閣」の若女将、佐藤梨絵さんは「この辺りの冬は厳しい寒さで雪も多い。野良猫にはとても過酷な環境です。彼らの暮らしを、少しでも自然に近い形で大事に見守る事を目指しています」自身も大の猫好きだという若女将は、宿の看板猫「ふくちゃん」に話しかけながら笑顔で話してくれた。
 宿泊客の歩く下駄の音があちこちから聞こえてくる夕方、猫たちは路地から顔を出し、小さな声で「にゃ~」…まるで旅人たちに挨拶するかのよう…というのは考えすぎだろうか。それにしても健康そうな猫たちを見るにつけ、優しく見守ってもらえているという事が実感できる。
 願わくば、この先もずっと〝人も猫も幸せに〟というフレーズを、誰もが当り前の事と思えるような世の中になって欲しい。そんな「理想を現実にするヒント」が小野川温泉にはきっと、ある。(写真報道局 尾崎修二)

【小野川温泉】
 その名称は、平安時代の歌人・小野小町が父を訪ねる道中、偶然発見して旅の疲れを癒やしたという言い伝えから名付けられたといわれる。日本美人の象徴の一人としても有名な小野小町とあって「美人の湯」としても人気の温泉街。
 戦国時代には当地ゆかりの武将らが湯治に訪れたとされ、米沢生まれの伊達政宗や名君・上杉鷹山らも愛した名湯だ。

企画制作:産経デジタル