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view 水しぶきに映える瑠璃色 奄美大島・ルリカケス

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view 水しぶきに映える瑠璃色 奄美大島・ルリカケス

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晴れた日の午後、羽を上げて水浴びするルリカケス=鹿児島県龍郷町(松本健吾撮影) 晴れた日の午後、羽を上げて水浴びするルリカケス=鹿児島県龍郷町(松本健吾撮影)キヤノン EOS-1D X Mark Ⅱ:EF600mm F4L IS USM

 青々とした樹木が生い茂る森のなか。音もなく、一羽の野鳥が水面に降り立った。紫がかった青と赤茶色の羽毛がまぶしい。少し首をかしげ、水に映る自分の姿を見つめるようにしばらく静止。次の瞬間、頭を水に突っ込み、しぶきを上げて体をふるわせた。

枝にとまって羽を休める。名前の由来となった瑠璃(るり)色と赤のコントラストが新緑に映える =鹿児島県龍郷町(松本健吾撮影)
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枝にとまって羽を休める。名前の由来となった瑠璃(るり)色と赤のコントラストが新緑に映える =鹿児島県龍郷町(松本健吾撮影)キヤノン EOS-1D X Mark Ⅱ:EF600mm F4L IS USMフルスクリーンで見る 閉じる

 今年3月に国立公園に指定された奄美群島(鹿児島県)の固有種、ルリカケス。体長約40センチ、カラス科に属する国の天然記念物だ。繁殖期で活発に動くこの時期、奄美大島の「奄美自然観察の森」(龍郷町)にある池では、水浴びする愛らしい姿を間近に見られる。

 自然観察指導員の川畑力さん(38)は「水浴びで、羽についた寄生虫やほこりを落としています。涼しんでもいるのでしょう」と説明する。

 観察の森は、イタジイを中心とした照葉樹林。広さ約2.4ヘクタールで、遊歩道が整備されている。

 歩くと、ルリカケスのほかにも、オーストンオオアカゲラ、アカヒゲなどの鳥類、季節によっては夜に発光するシイノトモシビダケなどのキノコや、日本一美しいとも言われるアマミイシカワガエルなどの希少な動植物を観ることができる。

 川畑さんは「観察の森は、山深く分け入らないと触れられない生き物や植物を気軽に楽しめる奄美の自然の“入り口”です」と話す。

 奄美大島は世界自然遺産の登録も目指している。観察の森は推薦区域には含まれていないが、同レベルの奄美固有の自然に触れられる受け皿として、再整備計画も進む。

 水を浴びたルリカケスは、すっきりしたのか、気持ちよさそうに大きく羽を広げて森のなかに消えていった。(写真報道局 松本健吾)

企画制作:産経デジタル