産経フォト

老舗商店街を守れ 大阪・黒門市場 空き店舗を外国人観光客向け休憩所に

時事

老舗商店街を守れ 大阪・黒門市場 空き店舗を外国人観光客向け休憩所に

更新 jnl1609160005
外国人観光客のために黒門市場内に開かれた観光案内所兼休憩所=16日午前、大阪市中央区(村本聡撮影)  外国人観光客のために黒門市場内に開かれた観光案内所兼休憩所=16日午前、大阪市中央区(村本聡撮影) キヤノン EOS-1D X:EF24-70mm F4L IS USM

 「大阪の台所」として知られ、訪日外国人客(インバウンド)でにぎわう大阪市中央区の黒門市場で、中国など海外の投資家が空き店舗物件を購入し、テナントとして貸し出すケースが増えている。こうした店舗は商店主らの組合に加入しないことが多く、トラブルも懸念されるという。危機感を募らせる黒門市場商店街振興組合は空き店舗を購入し、外国人向けの無料休憩所として9月にオープンさせるなど、“自衛策”に乗り出した。

外国人観光客のために黒門市場内に開かれた観光案内所兼休憩所=16日午前、大阪市中央区(村本聡撮影)
画像を拡大する
外国人観光客のために黒門市場内に開かれた観光案内所兼休憩所=16日午前、大阪市中央区(村本聡撮影)キヤノン EOS-1D X:EF24-70mm F4L IS USMフルスクリーンで見る 閉じる

 大型スーパーの進出などで一時は低迷した黒門市場。海外のガイド本に大阪の観光地として紹介されるなどし、平成23年ごろから外国人客の増加が顕著になった。同組合によると、20年ごろは日本人が中心で1日の来客は1万3000~1万5000人だったが、今年3月の調査では約2万6000人を記録。その7~8割が外国人でほとんどが中国などの東アジアからという。
 インバウンドでにぎわう一方で、商店主の高齢化が進み、後継者不足から営業をやめる店も増えている。
 こうした状況に目を付けたのが中国などの海外投資家だ。空き物件などを買い取り、テナントとして貸し出しているという。こうした店舗は組合に加入しないケースが多く、意思疎通が難しいことからトラブルも起きている。景観を壊すような大きな看板を掲げたり、店頭の路上をふさぐように商品を並べたりするケースもあるという。約180店舗のうち、現在、組合に加盟しているのは約150店舗という。

外国人観光客のために黒門市場内に開かれた観光案内所兼休憩所で対応する外国人スタッフ=16日午前、大阪市中央区(村本聡撮影)
画像を拡大する
外国人観光客のために黒門市場内に開かれた観光案内所兼休憩所で対応する外国人スタッフ=16日午前、大阪市中央区(村本聡撮影)キヤノン EOS-1D X:EF24-70mm F4L IS USMフルスクリーンで見る 閉じる

 「黒門市場らしい雰囲気が失われるのではないか」。危機感を募らせた同組合は25年、営業をやめたスーパーの跡地を約3800万円で購入。倉庫や簡易の休憩所として利用してきた。実際にこの物件は、海外の投資家が購入しようとしていたが、売却される寸前で阻止したという。
 同組合は今月1日、外国人客向けの無料休憩所をオープン。中国、韓国、英語に堪能なスタッフが常駐し、購入した食品が自由に食べられるイートインスペースなどがある。
 同組合の吉田清純副理事長(68)は「昔ながらの商店街らしさを守りながら、外国人客を取り込みたい」と話している。

企画制作:産経デジタル