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【台風10号】異例ずくめの台風4個上陸 高気圧に挟まれ「道」できる 異常生むブロッキング高気圧が原因

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【台風10号】異例ずくめの台風4個上陸 高気圧に挟まれ「道」できる 異常生むブロッキング高気圧が原因

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 押し寄せる高波を見る人たち=30日、宮城県七ヶ浜町(早坂洋祐撮影)  押し寄せる高波を見る人たち=30日、宮城県七ヶ浜町(早坂洋祐撮影)キヤノン EOS-1D X:EF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USM
 台風10号による影響で、宮城県七ヶ浜町の花渕浜に打ち寄せる波=30日、宮城県七ヶ浜町(早坂洋祐撮影)
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 台風10号による影響で、宮城県七ヶ浜町の花渕浜に打ち寄せる波=30日、宮城県七ヶ浜町(早坂洋祐撮影)キヤノン EOS-1D X:EF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USMフルスクリーンで見る 閉じる

 今年の台風シーズンは、10号が観測史上初めて東北地方太平洋側に上陸するなど異例ずくめの展開になっている。ほかにも8月中に列島へ4個も台風が上陸したのは昭和37年以来で、史上最多タイ記録になる。通常と異なる気圧配置が東日本の上空を台風の通り道に変えたことが原因だ。

 台風10号はいったん南西へ移動後、“ブーメラン”のように戻ってくる異例のルートをたどった。列島東側の太平洋高気圧に沿う形で北上し、30日に北西向きの風に流され、通常とは逆に太平洋側から東北地方を縦断した。

 そもそも今年の台風1号発生は7月3日で史上2番目の遅さだった。その後、海面水温の上昇により今月中旬には7、9、10、11号が連続発生して相次ぎ上陸。うち3個はわずか6日間のうちに北海道へ上陸し、同年中の北海道上陸数で最多記録を更新した。

東日本大震災による護岸工事が行われている宮城県七ヶ浜町で、海岸に押し寄せる高波=30日、宮城県七ヶ浜町(早坂洋祐撮影)
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東日本大震災による護岸工事が行われている宮城県七ヶ浜町で、海岸に押し寄せる高波=30日、宮城県七ヶ浜町(早坂洋祐撮影)キヤノン EOS-1D X:EF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USMフルスクリーンで見る 閉じる

 なぜ台風は次々と東日本へ向かったのか。例年なら8月は列島を覆っている太平洋高気圧が、今年は東の海上に位置した上、西側には高気圧が西日本付近まで陣取った。台風は、東西2つの高気圧に挟まれた列島の上を進んでいった。

 この2つの高気圧の配置に関わったのが、上空の偏西風が作り出した「ブロッキング高気圧」とみられている。列島上層を西から東へ吹く偏西風が北へ蛇行すると、カーブ内側に大きな気流ができる。この気流が高気圧となり、1週間以上持続する状態をブロッキング高気圧という。

 台風10号による影響で、宮城県七ヶ浜町の海岸に打ち寄せる波=30日、宮城県七ヶ浜町(早坂洋祐撮影)
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 台風10号による影響で、宮城県七ヶ浜町の海岸に打ち寄せる波=30日、宮城県七ヶ浜町(早坂洋祐撮影)キヤノン EOS-1D X:EF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USMフルスクリーンで見る 閉じる

 8月中旬ごろ、列島の東側と西側で偏西風がそれぞれ北へ蛇行。上層にできたブロッキング高気圧などが下層にある東西2つの高気圧を押さえつけて固定する構図を作り出したという。

 同じような気圧配置の状況が少なくとも9月上旬ごろまで続く見込み。気象庁気候情報課の及川義教予報官は「ブロッキング高気圧はたびたび現れては平年と異なる状況を生み出す原因になっている」と話した。

企画制作:産経デジタル