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【大山文兄のV1ウオッチ♯11】 国賓待遇というおもてなし

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【大山文兄のV1ウオッチ♯11】 国賓待遇というおもてなし

更新 jnl1506020002
V1スポットを目指すフィリピン政府の特別機エアバスA330-343(機体番号RP-C8771)。フィリピン大統領府の旗がはためき、コックピットから前が見えているのか心配になります =2日午後、東京羽田空港 (大山文兄撮影) V1スポットを目指すフィリピン政府の特別機エアバスA330-343(機体番号RP-C8771)。フィリピン大統領府の旗がはためき、コックピットから前が見えているのか心配になります =2日午後、東京羽田空港 (大山文兄撮影)キヤノン EOS-1D X、EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USM
国賓として来日されたアキノ・フィリピン大統領 =2日午後、東京羽田空港 (大山文兄撮影)
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国賓として来日されたアキノ・フィリピン大統領 =2日午後、東京羽田空港 (大山文兄撮影)キヤノン EOS-1D X、EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USMフルスクリーンで見る 閉じる

 6月2日から5日までの日程で、ベニグノ・アキノ3世・フィリピン共和国大統領が国賓として、フィリピン航空の特別機(チャーター機)で来日しました。搭乗機はエアバスA330-343(機体番号RP-C8771)。お決まりのコールサインは「フィリピン001」でした。一見するとただのフィリピン航空機に見えるのですが、L1、R1の搭乗ドアにはそれらしいステッカー? が張られています。この僅かな違いが、航空ファンにとってはすごくうれしいんです。

礼砲のため配置についた陸上自衛隊第1師団第1特科隊の前を通過する、フィリピン政府の特別機エアバスA330-343(機体番号RP-C8771) =2日午後、東京羽田空港 (大山文兄撮影)
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礼砲のため配置についた陸上自衛隊第1師団第1特科隊の前を通過する、フィリピン政府の特別機エアバスA330-343(機体番号RP-C8771) =2日午後、東京羽田空港 (大山文兄撮影)キヤノン EOS-1D X、EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USMフルスクリーンで見る 閉じる

 もう一つ喜ばせてくれたのは、コックピットの窓に掲げられた国旗です。通常は、機体の向かって左側に訪問国の旗(日の丸)、右側に自国旗(フィリピン国旗)が掲げられます。ところが、左側にはフィリピン国旗、反対側は見たこともない旗でした。
 後ほど外務省の方がフィリピン側に聞いてくれたのですが、それはフィリピン大統領府の旗とのこと。機体に張られたステッカーのようなものも、大統領府のマークだということが判明しました。

国賓として来日したアキノ・フィリピン大統領 =2日午後、東京羽田空港 (大山文兄撮影)
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国賓として来日したアキノ・フィリピン大統領 =2日午後、東京羽田空港 (大山文兄撮影)キヤノン EOS-1D X、EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USMフルスクリーンで見る 閉じる

 フィリピン大統領が国賓として来日するのは、アロヨ前大統領以来13年ぶりです。国賓とは外国からの要人を、天皇陛下のお客さまとして招待する最高級の待遇です。日本では年間1-2件しか実施されません。そこで今回のV1ウオッチでは、国賓とはどのような待遇で、その他の来日とはどのように違うのかを取材してみました。
 まず、V1スポットに降り立ったアキノ大統領を待ち構えるのは、陸上自衛隊第1師団第1特科隊(北富士駐屯地)による礼砲21発です。乗り込む車両は宮内庁から貸し出された御料車のセンチュリーロイヤル。宿泊先には赤坂迎賓館が用意されますが、民間ホテルを利用することも可能です。

V1スポットに到着したフィリピン政府の特別機エアバスA330-343(機体番号RP-C8771)。タラップが横付けされ、赤じゅうたんが瞬く間にひかれる =2日午後、東京羽田空港 (大山文兄撮影)
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V1スポットに到着したフィリピン政府の特別機エアバスA330-343(機体番号RP-C8771)。タラップが横付けされ、赤じゅうたんが瞬く間にひかれる =2日午後、東京羽田空港 (大山文兄撮影)キヤノン EOS-1D X、EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USMフルスクリーンで見る 閉じる

 皇居では歓迎式典が行われ、天皇、皇后両陛下のご会見が行われます。そして国会での演説、夕刻からは天皇陛下主催の晩さん会。このほかにも安倍首相との首脳会談が行われ、共同記者会見、総理主催の晩さん会など、多忙な行事が予定されています。日本を離れる際には、両殿下がお別れのあいさつのため、宿泊先を訪問されます。
 これらの行事には、原則3泊4日の日程が必要となります。招待する側のホスト国は、相手国へ最大限の敬意をはらいます。
 ただ、他の国への配慮も必要です。そのために考え出されたのが「プロトコール」と呼ばれる国際儀礼であり、この基本儀礼、マナーに基づき外国要人の接待が行われています。そうすることで無用な誤解や争いを避け、外交が円滑に進められるのです。

RW22にアプローチするフィリピン政府の特別機エアバスA330-343(機体番号RP-C8771) =2日午後、東京羽田空港 (大山文兄撮影)
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RW22にアプローチするフィリピン政府の特別機エアバスA330-343(機体番号RP-C8771) =2日午後、東京羽田空港 (大山文兄撮影)キヤノン EOS-1D X、EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USMフルスクリーンで見る 閉じる

 国賓の他にも、外国要人の来日には社会的地位、訪日目的に応じて「国賓」「公賓」「公式実務訪問賓客」「実務訪問賓客」「外務省賓客」という5つの枠組みがあります。国賓は各国の国王や大統領、国家主席などの元首が対象となりますが、公賓は皇太子や首相、副大統領などが対象です。そのためイギリスのチャールズ皇太子やキャメロン首相は国賓として扱われませんが、フランスのオランド大統領は国賓として扱われます。しかし、慣例として過去10年以内に国賓として招待された国の元首は、公賓または公式実務訪問賓客として扱われます。

RW22にランディング後、V1スポットを目指すフィリピン政府の特別機エアバスA330-343(機体番号RP-C8771) =2日午後、東京羽田空港 (大山文兄撮影)
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RW22にランディング後、V1スポットを目指すフィリピン政府の特別機エアバスA330-343(機体番号RP-C8771) =2日午後、東京羽田空港 (大山文兄撮影)キヤノン EOS-1D X、EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USMフルスクリーンで見る 閉じる

 公式実務訪問賓客は、儀礼的な要素が強い国公賓とは違い、来日目的がより実務的です。天皇陛下のご会見はありますが、晩さん会は行われず、首相との夕食会であったり、儀礼的な部分がより簡素化されています。今回来日したアキノ大統領も、4年前の来日では6閣僚を含む63人が随員として随行。約100人のビジネス・ミッションも同行した公式実務訪問賓客での来日でした。
 外務省によると2013年度の要人招待数は、国賓2件、公賓2件、公式実務訪問賓客7件、実務訪問賓客9件、外務省賓客13件でした。

RW22にアプローチするフィリピン政府の特別機エアバスA330-343(機体番号RP-C8771) =2日午後、東京羽田空港 (大山文兄撮影)
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RW22にアプローチするフィリピン政府の特別機エアバスA330-343(機体番号RP-C8771) =2日午後、東京羽田空港 (大山文兄撮影)キヤノン EOS-1D X、EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USMフルスクリーンで見る 閉じる

 これまで気にしたことのなかった招待枠組みですが、今回改めて取材してみると、非常に面白く勉強になりました。今回は簡潔にまとめてしまいましたが、国際儀礼は私たちの生活でも役に立ちます。今後もV1ウオッチでは、トリビア的な話題をお届けしたいと思っています。

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企画制作:産経デジタル