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旅する獅子 伊勢大神楽【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

伝統・文化

旅する獅子 伊勢大神楽【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

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旅する獅子 伊勢大神楽【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

 中世より「十楽の津」と呼ばれ、東海道四十二番目、唯一船路の宿場として大いに栄えた自由都市三重県桑名。伊勢神宮参拝の一の鳥居があり、古来より神宮との関係が深い。

 伊勢大神楽とは、お伊勢参りの叶わぬ遠隔地の方々に、獅子舞をしながら、かつて伊勢神宮の、現在は伊勢大神楽講社の神札を配布する人々が行う芸能の総称である。今でも関西地方を中心に、竈祓いの獅子舞神事と、放下芸である芸能の二本立てで、年中各地神社境内などにおいて総舞と呼ばれる芸能を披露している。

 中でも毎年12月24日には、伊勢大神楽の本拠地である桑名の増田神社にて、講社全5社中が集まり奉納されている。僕がいつも感じるのは、劇場の娯楽本意と違って、野外の神事には神遊びの臨場感と、地の持っている歴史の力満載である。

 境内の町名も、藩祖松平忠綱が名付けたとされる太夫町であり、都市計画の基礎は、徳川四天王の一人本多忠勝が手がけ、幕末朝敵賊軍とされ、節を曲げず義を貫いた反骨の歴史など、桑名の藩風とか藩是の意識が文化の底辺にある。こうした藩意識と固有の伝統芸能が、地方主権の大きな柱になっていくべきだと僕は思う。(文・パノラマ写真 白洲信哉氏)
(撮影機材:リコー THETA S )

白洲信哉(しらす・しんや) 白洲信哉(しらす・しんや)  文筆家。昭和40年生まれ、東京都出身。日本文化の普及に努め、展覧会など文化イベントの制作にも携わる。最新刊「旅する舌ごころ」(発行・誠文堂新光社)発売中。 

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